人生の岐路で正しい選択をする「5つの秘訣」
人生の岐路では、正しい選択をしたいもの。しかし、「正解」は、選択した瞬間には存在しません。選択したものを、「正解」にしていくのが人生なのです。
誰にでも、ネガティブな感情が渦巻くことはあると思いますが、一番苦しいのは過去の選択を後悔するときでしょう。そうならないために、選択は美学をもってやるべきです。「いい選択」をするためのコツを、自著『真夜中の幸福論』より紹介します。
01.
自己責任で主体的に選択する
人生の選択に客観的な「正解」はありません。その後どんな状況になっても、「あのとき、家族の要望があったから」などと責任転嫁をすることなく、最終的に自分で判断したと自分の決断に責任を持って生き続ける限り、すべては正解です。
正解だと思われる道を選択するのではなく、自分がすべての責任を当事者であることを引き受けて選択しなければいけないのです。きちんと責任を引き受ける覚悟をもって選択すれば、事前の不安や事後の後悔というものは心の中で消えていきます。
02.
他人の目を気にせず
堂々と決断するべき
先日、「退職をしようと決意したが、退職は逃避ではないだろうかという疑いがある」という相談を受けました。話をよく聞くと、ぼくは逃避ではないと思いましたが、その方が逃避だと思うなら逃避かもしれません。その判断が正解かどうかを決めるのは、本人の捉え方だけなのです。
問題は、そこに「周りから見れば逃避なんだろうな」という意識が混じっていないか、ということです。周囲の評価を気にして、自分の判断や選択に対する自信がブレるなら、自分をまだ完全に信頼していない証拠です。意思決定をする場面においては、他人の考えなどは関係なく、あなた自身が指揮権、統括権を完全に持たなければなりません。
03.
成長の可能性も含めて
自分自身を信頼する
いい選択をするためには、自分を完全に信頼しなくてはなりません。そのために、あなたがあなた自身のいちばん強烈なファン、「自分ファンクラブ第1号」になるのです。第2号はいなくてもいい。でも、まだ実績もないのに、どうやって「自分ファン第1号」になったらいいのかと思うかもしれません。
実績がまだないときには、「成長の可能性」に対して信頼するのです。最初は信頼の根拠の10割が「成長の可能性」に対してで、「実績」は0かもしれません。しかし、やがて自分の挑戦するべきことを見つけ、ささやかながら自分の結果を出していけば、信頼の対象の何割かは「実績」になっていきます。「実績」の割合が「成長の可能性」を超えたとき、自然体のままでも自分を信頼できるようになっていきます。
04.
自分と向き合う時間を持つ
選択をするときに情報を調べることは多いと思います。しかし、どんな情報であっても自分のものにする能力、または自分にとって意味があると思える情報を自分で探す能力をもっていないと、情報の洪水の中で埋もれてしまいます。
情報を取り入れるリズムの速度を少し落として、大量の情報に接している間に、3秒でも5秒でもいいから、自分と向き合う「間」を入れてみてほしい。その「間」が「省察」の時間になります。情報に振り回されるのではなくて、自分の考えのもとに情報をコントロールすることが大切です。
05.
変えられないことを気にしない
私は学生から自分の選択が正しいかを聞かれたときに、それが就職の内定に関する選択で、時期的に変更がきかないなど、覆すことのできないものについては「それでよかったと思う」と答えることにしています。
なぜなら、可能性のないものに対して夢を見て、現状を否定し、モチベーションを下げるのは、一番やってはいけないことだと思うからです。
今起きていることのうち、変えられることに対しては最善を尽くす。それ以外は受け入れることです。自分にとっては、それがよかったんだと考えれば、未来は変わります。
選択の積み重ねによって、人生はつくられます。選択は幸せなことでもあるし、同時に苦しいことでもありますが、道を選んだ自分を肯定したうえで、その道を正しい方向へ導いていってください。
『真夜中の幸福論』
コンテンツ提供元:ジョン・キム