【衝撃動画 】ISによる「人質殺害映像」はスタジオで撮影されていた? ハッカーが暴露
2015年7月、突如メディアに投稿された1本の動画に世界中が目を疑いました。イスラム国(IS)による人質殺害の様子が収められた映像。それが、なんと映画スタジオらしき場所で撮影されたものだったから。
動画の出自には、ある米大物議員の名前が挙がったばかりか、今も出口の見えない内紛状態が続くシリア情勢をめぐる、大国間の代理戦争の構図が見えてきました。
人質殺害映像はヤラセ!?
ロシアのハッカーが暴いた
この動画は親ロシアのハッカーグループ「サイバーベルクート(サイバーイヌワシ)」が入手し、昨年7月11日「LiveLeak」に公開したもの。ISメンバーと思われる人物が、人質を処刑しようとしているシーンを、さながら映画セットの前で撮影している様子がうかがえます。
ライティングの基本である三点照明により、表情にできる影を微妙に調整している場面。さらには、砂漠の風景を模したと思われる赤土のセット、背景はデジタル合成のためのスクリーンが張られているようにも。驚くことに、映像には赤い帽子を被った監督らしき人物による、演技指導まで映し出されていました。
映像流出の背景に
米大物議員の影?
Another nutty conspiracy theory from the #Russian Internet trolls - I'm very proud to be target of America’s enemies. http://t.co/m9wruus0uO
— John McCain (@SenJohnMcCain) 2015, 7月 13
サイバーベルクートはこの動画を、米共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員のウクライナ視察に同伴したアシスタントのひとりが、所持していたUSBフラッシュドライブをハッキングしたものだと主張。しかし、これに対する物的証拠は現在もあがってはいません。
問題の動画がアップされるや、当のマケイン議員はすかさず反論コメントをTwitterに投稿しました。はたして、これは火消しのため?
「ロシアはインターネットを徘徊し、こんなくだらない陰謀論をでっち上げようとしている。アメリカに敵対する者たちの標的となって、私は光栄だよ」
「New York Times」をはじめ米主要メディアは、ロシアに対する最も厳しい批判者として、プーチン政権への糾弾を続けてきた急先鋒こそ、同議員であったことを振り返る記事を一斉に公開しました。
シリア内戦に関与する
米・ロによる代理戦争?
動画が流出から3ヶ月後の10月、ロシアはシリア空爆を開始しました。当初、IS掃討に絞った攻撃としていたロシア軍。ところが、フタを開けてみると、標的となったのは反アサド派の軍事施設が中心でした。この反アサド派指示を表明している国こそがアメリカです。
ロシア軍による空爆をマケイン議員は、「CNN」のインタビューに対し、「明らかにCIAが軍事訓練を行ったアサド政権反体制派を狙った攻撃」だと非難。シリア情勢の緊張激化は、まさに米ロによる“代理戦争”と言及しました。
これまでにも、シリアの反体制派の指導者たちとの面会や、ISの指導者との秘密会談がネット上で流布するなど、蜜月な関係がたびたび指摘されてきたマケイン議員の発言だけに、少なからず緊張感が走ったことは明白です。
この動画の信ぴょう性はさておき、こうした新聞やテレビがあまり伝えない水面下の情報戦は、日々拡散され、大物政治家によるSNSでの発言が、リアルタイムで人々の耳目に触れる世の中であることは、間違いありません。
Reference : Infowars , New York Times , LiveLeak ,CNN
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