質問の嵐にたじたじの子どもたち。UNICEF動画が警鐘を鳴らすものの正体
国際支援や募金活動のイメージが強いUNICEFですが、子どもの保護を訴える活動の一環として、YouTubeチャンネルでさまざなま動画を公開していることを知っていますか?
ここに紹介するのは、大人になった私たちからしてもヒヤッとさせられる1本です。
明日ジブンにも起こりうること
子どもたちが部屋に入ると、「お待ちしてました。さぁ座って」「ちょっとお尋ねしたいんだけど、いいかな?」との声。驚いた顔が見る先には……まるで記者会見のような雰囲気の中、次々と質問が投げかけられます。しかもその内容は「なんで知ってるの?」と言いたくなるようなプライベートなものばかり。これには子どもたちもたじたじ。
──この間はいつもより家に帰るのが遅かったよね?
「うん」
──このあいだのバスケットボールの試合について聞きたいんだけど、あまり得点をあげられなかったそうだね。
「そうだけど……なんで知ってるの?」
——この写真でわかるように、あなたずいぶん身体を鍛えていますね?
「まぁ……」
——このスタイルでよく女の子と遊んでいるのですか?
「えぇ……ええと……。バレましたか……(苦笑)」
──最近、元気がないんだって?
「 う〜ん正直に言うと、元気な時も、そうじゃない時もあるかな」
——歌を歌ったり、ヴァイオリンやフルートの演奏もされるそうですね。今ここで何か歌ってくれますか?
「え〜、イヤだ恥ずかしいし……」
隠しきれない戸惑い
「これ、何なんですか?どこからそんな話聞いたの?」
「なんでそんなに僕のこと知ってるの?おかしいよ……」
「なんだか気味が悪いよ」
苦笑いして「もう出て行っていい?」と口にしたり、黙って首を横に振ることしかできなくなったり、両手で顔を覆ったり。
見知らぬ他人が自分のことを不気味なほど知っている様子に心がかき乱されていくのが生々しく伝わってきます。しかし……。
それはすべて、
自分でSNS投稿したもの
実は仕掛け人らが口にしたのは、Twitterや Instagram、YouTube、facebook、SnapchatなどのSNSで子どもたちが公開していた内容だったのです。ほぼすべて「自分で」アップしたもの。記者を装った仕掛け人たちよりもずっと多くの、全世界の人間に自分のプライベートを見聞きされている。
その気になれば、こんなストーカーまがいなことだって容易にできてしまう。なんとなくわかってはいても、実際にこうして生身の人間にそれを突きつけられると……やっぱり怖くなってきませんか?
個人情報の公開範囲はきちんとコントロールするように。そんな呼びかけで動画は締めくくられています。危機感が薄いのは、みな同じかもしれません。自身の投稿を振り返ろう、そんな衝動を覚えたのは私だけではないはずです。