グリーンランドの氷河が崩れる瞬間。トリハダものの迫力映像

氷河が割れゆく瞬間を捉えたこの貴重な映像は、過去撮影された氷河の分離のなかで、最も巨大なものとして2016年ギネス記録にも認定されました。
わずか75分間の間に、マンハッタンの1/4にあたる規模の氷河が海へと流出していったのです。

世界の氷河の95%は
後退し、縮小している

この動画は、今から7年前の2008年5月に、西グリーンランドのイルリサット氷河が分離する瞬間を捉えたものです。

観測史上最大規模の歴史的な崩壊は、およそ75分間に渡り、約4.8キロに及ぶ氷河が海へと飲み込まれていきました。氷河は全長914メートル、水面に顔を出しているのは90〜120メートルほど。
撮影に成功したのは、1980年より自然環境活動家、カメラマンとして活躍するジェームズ・バローグ氏。氷河の崩壊を目の当たりにし、映像に捉えた彼はこう主張します。

世界の氷河の95%は後退し、縮小している

深刻な気候変動が、極地に与える影響の大きさを実感させるメッセージではないでしょうか。


地鳴りとともに
氷の塊が裂けていく

まるで、大木がきしみながら倒れていくような音から始まった分離は、やがて地鳴りに変わり、雷鳴の轟に似たごう音を残して、氷河は裂け回転をしながら海の中へと飲み込まれていきます。


ロウアー・マンハッタンを
わずか75分で飲み込んだ…

この時の分離が実際にどのくらいの大きさだったのかを分かりやすく比較するために、試算した数値から、マンハッタンの地図を合成的に配置してみました。すると、ロウアー・マンハッタンがすっぽり収まってしまうサイズ感だったことが判明。高層ビル群よりも更に2〜3倍の高さの氷河が、海へと崩れ落ちていったと聞くと、なにか鳥肌が立つ思いがしてきませんか?

過去100年分の後退を
わずか10年で超えてしまった

北極の氷河の溶解。それを早めているのが地球温暖化による影響です。

「今日、誰もが理解している通り温暖化による影響が、かつてないほどの氷河の後退を招いている」とバローグ氏。というのも、1902年から2001年までの過去100年の間に、およそ12キロ後退した氷河が、その後わずか10年のうちに14キロも後退していることが、調査から判明したから。


近い将来「これと同じ規模の氷河分離があっても不思議ではない」とバローグ氏は警鐘を鳴らします。世紀の氷河分離を目の当たりにした人物の言葉だけに、逼迫感がひしひしと伝わってくる、強烈なメッセージに聞こえませんか。

Licensed material used with permission by Exposure Labs
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。