史上初・テレビゲーム予告動画が、アカデミー賞ノミネート資格を獲得

バクテリア、昆虫、ウシ、ヤギ、植物、星、そして銀河。

この世に存在するありとあらゆるものになれるシミュレーションゲーム「Everything」。その予告編映像が、ゲーム史上初、アカデミー賞へのノミネート資格を獲得しました。

銀河の気分まで
味わえる

ゲーム界初の快挙に、今回制作に携わったアイルランドのアーティスト・David OReilly氏もTwitterで喜びを表現。

「Everything」には、決まったストーリーやクリア条件はありません。「万物になれる」こと以外何も決まっていないという、あまりに自由度の高いゲームです。

クマから始まり、てんとう虫、細胞、植物…そして銀河と、約11分の間に次々と視点が変わっていくこの映像。

どう捉えるかは人によって意見が分かれそうですが、6月1日から開催された「VIS Vienna Shorts」では「新しい視点を持てる作品だ」と評価され、審査員賞を受賞。その後、アカデミー賞短編アニメ部門のノミネート候補となりました。

自分ではない
「なにか」になれる

映像には、イギリスの哲学者であるアラン・ワッツのナレーションも。

「人は人として生まれ、その視点でしか物事を捉えることができません。同じように、すべての意識のある生物は、それ自身の視点でのみ世界を認識できるのです。

これは、その視点を変えることのできるゲームです。自分ではない何かしらになることで、今まで人の目でしか見えていなかった世界の捉え方を、大きく変えることができるでしょう。それは、顕微鏡や望遠鏡を使うこととはまったく異なります。その生き物がどのように世界を捉え、生き抜いているのかを垣間見ることができるのです。

小さなバクテリアから莫大な銀河に至るまで、存在するすべての視点を手に入れたとき、あなたはきっと、この世界が非常に強い結びつきで出来上がっていることに気付くはず。

そして自分自身はその一部、世界を構成する命のひとつだという大切な事実を実感するでしょう」

アカデミー賞のノミネートは、今年の後半から始まります。「Everything」はゲーム史上に残る偉業を残せるのか、今後の展開が気になるところ。

「ラスト数分が特に評判なんだよ!」という映像が気になる方は、こちらをチェック。冒頭のシュールさに疑問符が浮かんだら、サッと早送りしてみてください。

Licensed material used with permission by David OReilly
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。