アカデミー賞が認めた韓国の短編ドキュメンタリー『不在の記憶』が「YouTube」で配信中
先日のアカデミー賞では、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞。非英語作品として初めて同賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
クオリティの高い社会派作品を多く生み出してきた韓国。同国にとって初となるアカデミー賞の最終候補に残ったのは、じつは本作のほかに、もう1本あったことをご存知だろうか。
今年の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされた、イ・スンジュン監督による『不在の記憶』。これは、2014年4月に起こった「セウォル号沈没事故」を題材にした短編ドキュメンタリー映画だ。
日本でも大きく報道されたこの悲惨な事件は、すでに多くの関連作品が撮影されているが、今作品は既存のものとはまったく異なるという。調査やインタビューによって原因の究明を目指すわけではなく、作品の大部分を事故当時の現場映像と通信記録によって構成することで、生々しい臨場感と空気感を再現することに集中したというのだ。
いまだその真相が明らかになっていない“空白の2時間”がテーマの28分51秒に及ぶ本編はYouTubeで公開中。
字幕は英語のみとなっているが、アカデミー賞にノミネートされたこの記録映像作品は見る価値ありだ。
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