超激レア「マックのバイトスタッフ用DSソフト」が海外で文化遺産扱いに
日本人にはおなじみ、なつかしの「Nintendo DS」。
発売から15年以上が経過したDSだが、2022年のいま、あるソフトが話題になっているのをご存知だろうか。
それは、『eSMART 2.0』という“トレーニングゲーム”。
聞き慣れないジャンルのこちらは、なんとあの「マクドナルド」が日本店員の教習のために作った、文字通りトレーニング用のソフト。
もちろん非売品(そもそも社外持ち出し禁止品)で、現存する個数が極めて少ないうえにダンプデータも存在しないため「ウルトラレア」と呼ばれるほどの珍品らしい。
その内容はもっぱら教習で、調理から接客まであらゆる業務を体験的に学べる優れもの。ちなみにスコアなどの概念は存在せず、ゲーム性は皆無。
面白いゲームプレイなどは一切期待できないこのソフトが、なぜ今になって話題を呼んでいるのかというと……。
つい最近「保護された」から!
事の発端は、昨年8月にあるユーザーがこのソフトをTwitter上に紹介したこと。ツイートを通じて話題になり、その価値が認識されたのか11月にヤフオクに出品された。
「ウルトラレア」であるこのソフトの出品に世界のコアゲーマーから注目が集まり、30万円超えの超高額商品ながら海外からも転売依頼が出されるほどに。
高騰したソフトは最終的に、「Forest of Illusion」という任天堂商品の保存活動団体が獲得。
「任天堂の全商品カタログを維持すること」を目標にしている同組織によってアーカイブとして保存され、さらにダンプも書き出されてDL可能に。
ここで注目したいのは、DSのソフトが“アーカイブとして保存されている”ということ。
メタバースをはじめデジタル技術が飛躍的に進歩していくなかで、その過程であったDSなどのゲームが保存されていくことは、ゲームが一種の“文化遺産”のような存在になっているのを感じさせる。
実は、すでにそのすべてが生産終了となっているDSのソフトは、かなりの数がプレミアとなっていて、現在では中古品でも1〜2万円ほどするのが普通。
かつては広く普及していたDSも、今や遺産になりつつある......そう思うとなんだか感慨深い(笑)そして、かつてはネガティブな印象を持たれていたゲームにこれだけの価値が与えられているなんて。
ドイツがテクノを文化財と認めたように、日本でゲームやサブカルが正式に文化として認められる日も遠くないかもしれない。