500年に一度の大干ばつにより、スペインの「幻の遺跡」が地上に露出。保護する最後の機会か
今年、ヨーロッパでは「500年に一度」といわれるほどの大干ばつが起きている。これはいうまでもなく大問題だが、深刻な水不足がもたらした「チャンス」もあるようだ。
スペインで、普段は完全に水中に沈んでいる古代遺跡が地上に露出したのだ。
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この「Dolmen of Guadalperal」は、“スペインのストーンヘンジ”として知られる環状列石で、紀元前2000〜3000年に造られたという超・歴史的な古代遺跡。
エストレマドゥーラ州の東部、テージョ川の貯水池の中に沈んでおり、水位が下がらない限り目にすることができない幻の遺跡だ。
久々の上陸を前に、研究者は「change.org」を通して政府に対し遺跡のエリアを丸ごと博物館、または乾燥した土地に移すよう求めている。
半世紀以上もの間水中に沈んでいたため、すでに石材の多くが落下したり割れたりしており、この機会を逃すと再び何十年も劣化の一途を辿ることになる。
500年に一度の干ばつは大問題だが、干上がっている今しかできないこともある。
危機的な状況を少しでも前向きに捉え、(反対の意味で)自然の恵みともいえる希少な機会に遺跡保護が実行されることを願いたい。
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