バゲットが「無形文化遺産」に。背景には、バゲット業界が直面している厳しい現実が……

2010年に「国連教育科学文化機関(UNESCO)」の無形文化遺産に登録された、フランス料理。それから12年が経ち、今度はフランスパン(バゲット)の登録が決まった。

© AFPphoto/Twitter

バゲットは、フランスの食文化を語るうえで欠かせない存在。「UNESCO」は、バゲット作りの伝統やバゲットが生み出すフランスのライフスタイルを保護するべく、今回の登録決定に至ったんだとか。

「保護」と聞くと、まるでバゲットが"絶滅危惧種"のように思えるだろう。じつはあながち間違いではなく、なんでもフランスでは職人が運営しているバゲット店が年間400軒ほどのペースで減っているらしい。

以前は5万5000店舗ほどあったのに対し、現在は3万5000軒ほどにまで減少しているとのこと。

減少の理由は、手軽にパンを買えるスーパーの普及や消費者の嗜好の変化にあるんだとか。また、ハンバーガーの人気上昇も背景にあるという。

もしバゲット店やバゲットを抱えて街を歩く人が消えてしまったら、それはフランスのアイデンティティの喪失と言えるだろう。今回の無形文化遺産への登録は、妙手かもしれない——。

Top image: © iStock.com/erts
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。