「乾杯!」でスマホ強制ログアウト。「ハイネケン」製作スマホケースがユニークすぎ

テクノロジーが生活に浸透する現代。友人との飲み会でさえ、スマホを手放せない人がほとんどだろう。そんな状況を打破するかもしれないのが、「ハイネケン」が発表した「The Flipper」。

これは単なるスマホケースではなく、オフラインの価値を再認識するきっかけになるかもしれない。

乾杯センサー搭載!スマホ強制ログアウト

同社によると、「The Flipper」は、「Cheers!(乾杯)」の音を認識したとたん、自動的にスマホを裏返しにフリップしてしまう機能を搭載しているらしい。

なんでも、バーにいながら皆がスマホの画面ばかりを見ていて、ろくに会話もしないという実態を解決するために開発したプロトタイプなんだとか。視覚情報を遮断することで、目の前の人とのコミュニケーションを促進しようという、なかば強制的にスマホをログアウトさせる機能というのがおもしろい。

これ、ハイネケンが提唱する「The Boring Phone」のコンセプトを具現化したもので、デジタルデトックスを促し、リアルなつながりを重視する姿勢を打ち出している。

©Heineken

「つまらない」から生まれる価値

「The Boring Phone」は、あえて機能を制限したシンプルな携帯電話として、昨年話題を呼んだ。SNSやアプリといったデジタルな誘惑からユーザーを解放することを目的に開発されたものだが、今回発表されたスマホケースは、このコンセプトをさらに進化させたものといえるだろう。

「若者は、夜の時間をより大切にしたいと考えている。けれど、常に何かに繋がっているプレッシャーを感じている」と指摘するのはハイネケンのグローバル・ヘッド・オブ・ブランドNabil Nasser氏だ。

今回のケースもユニークな解決策を提供することで、より良いバランスを見つける手立てをしたいという、ハイネケンの心意気を感じさせる。

スマホ脳?デジタルデトックスという選択

スマホの長時間利用が脳に与える影響を示唆する「スマホ脳」という言葉もあるように、現代人は常に情報過多な状態にさらされている。情報から意識的に距離を置くデジタルデトックスは、ストレス軽減や集中力向上に効果があるとも示唆されている。

「The Boring Phone Case」は、スマホを手放すことを強制するものではない。あくまで、意識的な選択を促すためのツールだ。デジタルデトックスの利点を理解しながらも、なかなか踏み出せない人にとって、試しやすいきっかけになるかもしれない。SNSの通知をオフにする、特定のアプリの使用時間を制限するといった工夫と組み合わせることで、より効果的なデジタルデトックスが期待できそうだ。

飲みの席から生まれる
新たなコミュニケーション

テクノロジーは、人間関係を豊かにするいっぽうで、大切なものを見失わせることもある。「The flipper」は、デジタルとリアルのバランスを見直すための、ささやかながらも意義深い提案ではないか。

通知の嵐ばかりに気を取られる代わりに、乾杯の音をきっかけにスマホを裏返し、目の前の仲間とリアルな交流に集中する。そんな新しいコミュニケーション(否、従来の真のコミュニケーション)の形が、ここから生まれるかもしれない。

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