謙虚な人とは?謙虚な人の特徴と押さえるべきポイントを徹底解説
あまり目立ちませんが、他者から好印象を抱かれことが多い謙虚な人。今回は、一般的にどのような人が謙虚と言われるのか。また、なぜ謙虚な人が好かれるのか、謙虚な人になるためのポイントなどを紹介します。
謙虚とは
謙虚とは、人の性格や態度などを指す言葉で、謙虚の意味は「控えめであり、慎ましいこと」です。
また、自分自身の能力・地位などにおごることなく、相手の意見を素直に受け入れることができる人や、ひかえめでつつましく、へりくだった態度で人と接することができる人が、謙虚な人と呼ばれています。
基本的に「謙虚」という言葉は悪い意味で使われることはないので、人から謙虚な人だと言われた場合には褒め言葉と捉えてよいでしょう。
素直との違い
「謙虚」と似た言葉に「素直」があります。自分自身の能力・地位などにおごることなく、相手の意見を素直に受け入れることができる人が謙虚な人ですから、謙虚な人は素直であることが多いです。
ただ、謙虚な人は、自分とは意見が違っていても相手を尊重し、相手の意見を否定することなく受け入れる人のことですが、素直な人は、どんな意見であってもそのまま受け入れる人に使います。このように、謙虚な人と素直な人は、似てるようで、根本的な部分に違いがあります。
謙虚でいることのメリット
人の意見を聞かず自己主張ばかりする人より、常に謙虚な姿勢で接してくれる人の方が周りからの信頼が得やすく、誰からも好かれる傾向があります。それが謙虚でいることのメリットですが、謙虚でいることのメリットはそれだけではありません。謙虚でいることで、人の意見を素直に受け止め取り入れることができ、人間関係が円滑になるというメリットもあります。
また、関わった人からさまざまなことを学ぶことができるので、謙虚でいれば自己を大きく成長させることができます。さらに、関わった人から手助けをしてもらえることが多いというのも、謙虚でいることで得られるメリットです。
【行動】謙虚な人の特徴
謙虚な人には、行動が謙虚な人と性格が謙虚な人がいます。まずは、行動が謙虚な人の特徴を紹介します。
1|驕らない
何か大きな成果を残した際に、決して驕らないことが謙虚な人の一番の特徴でしょう。調子に乗って、自分の功績をペラペラと自慢することはしません。心の中では自分の頑張りを認めることはあっても、人前では「皆さんからアドバイスをいただいたおかげです」と感謝の意を示すでしょう。
2|自分の非を認めることができる
謙虚な人は、自分の非を受け入れることができ、素直に謝ることができます。自分のミスなのに、他人に濡れ衣を着せることなどなく、恥ずかしいことや受け入れがたいことでも自分の非として受け入れることで、その失敗を次に活かすことができます。
3|遠慮することができる
謙虚な人は、人からの提案に対して遠慮をすることができます。例えば、会社や学校などで先輩から「ご飯をおごってあげようか?」「手伝おうか?」などと言われた場合も、すぐに話しに飛びつくことはしません。
「本当にいいんですか?」と確認を取り、助けが必要かをきちんと考えて返事をします。「自分ひとりでも終わる仕事だけど、楽をしたいから頼んじゃえ」なんて考えは思いつきません。
4|空気を読むことができる
謙虚な人は、その場の空気を読むことができます。自分が主張すべきシーンとそうでないシーンをきちんと把握し、相手の話を聞く側に徹したり、発言できる場であえて回答を他人に譲るなどの配慮を、人知れず行っています。
5|礼儀正しい
謙虚な人は、人によって態度を変えず、誰に対しても礼儀正しく接する方が多いです。例え、地位が高くなっても、前と同じように誰にでも接します。謙虚な人自身が自分の地位や能力などにおごりがないので、相手の能力や地位によって態度を変えたりすることはありません。
【性格】謙虚な人の特徴
次に性格が謙虚な人の特徴を紹介します。
1|人に対して優しい
謙虚な人の一番の特徴は人に対して優しいということでしょう。
相手の立場で考えることや、相手の心情変化に気付けるように視野を広く持つ習慣がついており、さりげない気遣いをすることができます。
また、自分の優先度が低いという特徴もあります。自分が幸せになることよりも他の人が喜んでいる姿を見るほうが彼らにとっては幸せなのです。
2|他人に見返りを求めない
謙虚な人は、自分がしたことへの見返りは求めません。むしろ、一切の見返りを求めないからこそ、周囲から謙虚な人だと思われるのです。彼らの行動には損得勘定がなく、純粋に助けてあげたいという素直な気持ちのみが含まれています。
3|自尊心が低い
謙虚な人は自尊心が低く「自分が他者よりも優れている」「自分の考えは絶対」などという、変な思い込みを持ちません。
だからこそ、人からのアドバイスを素直に聞くことができ、自分に非があると感じたときは謝ることができるのです。
4|常に冷静である
普通の人はどんなに謙虚であろうと努力しても、大きな成功を収めたときや、褒められ持ち上げられたときに、つい自慢話や武勇伝を語ってしまいます。
謙虚な人は、感情のコントロールが上手く、どんなときでも冷静でいられるからこそ、舞い上がることなくいつも通りの行動を取ることができるのです。
5|計画性がある
謙虚な人は常に心に余裕を持っています。心に余裕が持てるのは計画性があり、時間に余裕があるからです。どんなに謙虚な人だからといって、ギリギリの状態では他人に優しくすることは難しいでしょう。
計画性があり、常に自分に余裕がある状態をキープしているからこそ、自分のことを後回しにできるのです。
謙虚な人が評価される理由
謙虚な人はどうして周囲から高い評価を得ることができるのでしょうか。以下では謙虚な人が評価される理由を紹介します。
弱い部分を愛嬌として感じてもらえるから
謙虚な人は自分の弱い部分を周りに見せることをためらいません。人に弱い部分を見せると、頼りない人だと思われてしまうことがありますが、謙虚な人は自分の弱さを素直に受け入れ、包み隠さず他人にさらけ出します。周りはしれを愛おしく感じ、弱い部分を愛嬌として感じるのです。弱い部分を見せると周りの評価が下がるかもしれないと虚勢を張ってしまう方が多いですが、謙虚な人のように自分の弱さを素直にさらけ出すことは悪いことではありません。
損得勘定のない行動が評価されるから
謙虚な人は、自分の努力の結果をひけらかしたりはしませんし、損得勘定で行動するようなこともありません。いくら人にやさしくしても、そこに損得勘定がある場合は相手は、その行動を評価してはくれません。謙虚な人は、損得は考えず、その人にとってよい結果になることを第1に考えて行動します。そんな損得勘定のない行動が、人の心を動かして、高く評価される結果となるのです。
感謝の気持ちを素直に表現するから
謙虚な人は、どのようなときも感謝の言葉を忘れません。感謝の気持ちがなく、してもらうのが当然という態度をされると、たとえ感謝してもらいたいという気持ちがなくても、あまりよい感情にはなりません。謙虚な人は、ちょっとしたことでもありがとうの気持ちを素直に伝えることができるので、多くの方から好感を持たれることが多いのです。
謙虚になるためのポイント
ここまで、謙虚であることのメリットや謙虚な人が高評価される理由を紹介していきました。この章では、謙虚になるためのポイントを紹介します。
謙虚になるためには、謙虚な人と今の自分の差を埋めていく必要があります。上記で解説した謙虚な人の特徴をもとに自分に足りていない項目を考えてみましょう。
1.話を聞く側になってみる
謙虚な人の一番の特徴は「聞き上手であること」でした。まずはあなたも自分の話を聞く側なってみてください。主張したいことや自慢したいことがあっても我慢して、口にしてはいけません。自己主張や自慢を我慢できるようになれば、周りから謙虚だと思ってもらえるようになるでしょう。
もちろん、話を聞くだけではいけません。相手の意見をしっかり聞き、考えを尊重しましょう。自分の考えのほうが正しいという思い込みはあなたをどんどん傲慢にします。ただし自分の意見を言うこと自体はとても重要なのでイエスマンにはならないでください。自分の方が正しいと主張しつつ、「自分はこう思うのだけど、どう?」と相手の意見をさらに聞き出すようにしましょう。
2.時間に余裕をもって行動する
謙虚になるためには心の余裕が必要です。心に余裕を持つためには、時間に余裕を持つできでしょう。目の前にことに集中している間、周囲の人の気配りができなくなってしまうことは当然です。
心に余裕があれば、自然と人の話を聞くこともできますし、他人を優先してあげることもできるしょう。
3.「ありがとう」と「ごめんなさい」を忘れない
素直に感謝でき、失敗した時にはそれを素直に受け入れ、謝罪できるのが謙虚な人です。
人から何かしてもらったのに感謝の言葉が口にできない、失敗したのに頭を下げることができないままでは、いつまで経っても謙虚な人になることはできません。
4.褒められたときこそ謙虚になる
ついつい、自分の話をしてしまうシチュエーションは誰かに褒められたときです。「すごいね!どうやってやったの?」などと質問を受けた際は、何かをなし得た達成感からどっぷり自分の話をしたくなってしまいますが、しつこくなりすぎないようにしましょう。
また、自分の話だけで会話を切り上げることもNGです。「○○さんこと、こういうところがすごいですよね」と褒め返して、相手の話も聞いてあげるようにしましょう。
5.お客さんでいるときこそ謙虚になる
自分がお客さんの立場にあるとき、つい謙虚さを忘れてしまうことが多いです。
飲食店や洋服店、などサービスを利用する際や何かを購入する際は、店員さんに対して横柄な態度をとらないように意識してください。
たとえ、店員さんが失敗をしてしまったとしても、許して上げられる寛容さを持ちましょう。偉そうに振る舞える立場にあったとしても、謙虚でいることを忘れてはいけません。
6.相手の話を聞くための話題を探す
何か話さなくてはという意識から、つい自分の話ばかりをしてしまうことがあります。話の種を持っていれば、そのようなことにはなりません。最近のトレンドニュースなど話題はなんでも構わないので、「どう思う?」と振れるような引き出しを作っていくといいでしょう。
とくにおすすめな話題は相手に関することです。もちろん短所や悪口はNGです。日頃から人の長所を探し、「いつも○○をがんばっているよね」と相手の話ができるようにしておきましょう。
7.損得勘定で行動しない
人に何かしてあげた際に、相手からの見返りを求めないようにしましょう。「自分がしてあげたのに」と思う気持ちは捨てられるといいでしょう。
損得勘定ではなく、相手が喜ぶことがしたいという気持ちを原動力にしましょう。
度を越した謙虚さは要注意
基本的に「謙虚」という言葉は悪い意味で使われることはないのですが、度を越した謙虚さには注意が必要です。
自分を卑下する
謙虚な人は自分の弱さを素直に受け入れ、包み隠さず他人にさらけ出していても、その弱い部分を愛嬌として感じてもらうことができますが、それが度を越していると謙虚ではなく卑屈になってしまう可能性があります。卑屈になると目線が外ではなく、何を見ても自分なんてって、自分のことしか見ることができなくなって、どんどん謙虚さが失われていってしまいます。
謝ってばかりいる
自分の非を受け入れることができ、素直に謝ることができるのが謙虚な人ですが、何でもかんでも謝っていると意志のない人と思われてしまいます。謝罪することに抵抗がないことが謙虚な人のよいところですが、自分に非がないことまで謝る必要はありません。
謙遜しすぎる
謙虚な人は、謙遜しすぎるところがあります。謙遜しすぎると、逆に相手に気を使わせることになってしまいます。仕事上の取引先の相手に対して、謙遜をしたばかりに、相手との取引がうまくいかなかったなんて話も珍しくはありません。