「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない」。 想い溢れる10の言葉
家族や恋人、友人など、周りの人に対する愛の形はそれぞれです。でもすべてに共通する大切なことは「相手を思いやる」ということ。
ここでは、世界のさまざまな「想い」に関する名言を遠藤段さんの著書である『世界の名言100』から紹介したいと思います。
01.
心の奥底に達して、あらゆる病を癒せる音楽、それは温かい言葉だ。
ラルフ・ワルド・エマーソン/アメリカの思想家・詩人
人間としての器量や品格の高さを測る基準は人によって違うかもしれないが、古来より重視されてきたのは、その人の「徳」である。「徳」は、その人がどれだけまわりの人に「温かい言葉」をかけているかどうか。もちろん、実践もそれに続くのだが、まずは言葉だ。
人間が万物の霊長と言われるのは、言葉を持ったこと、そしてそれによって他人を深く思いやれる心を持てるようになったからであろう。つまり「徳」というものを持ったということだ。
02.
真の友情は、真実の中で、存在できる。友情は、暗やみで何も見えないところ、そして無知の中では存在できない。
ヘンリー・D・ソロー/アメリカの随筆家・詩人・思想家
ただ知り合いになり、面白おかしい話ばかりして、バカ騒ぎできるのが友情であると勘違いしている人もいるようだ。しかし、こうした関係は、その場かぎりのもので、自分の人生の向上にほとんど意味をなさない。
真の友情というのは、お互いの人生を高め合うところにある。お互いが友として付き合うことで、それぞれが刺激し合え、人間的に成長していけるところにあるのではないか。
03.
タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない。
レイモンド・チャンドラー/アメリカの作家
小説の中の一つの言葉が、これほどまでに有名になり、何十年とずっと人々が口にするのは、そこに人生の真理、あるいは目標とすべき方向があるからだ。
他人からの自分に対する言葉がきつく感じることがあっても、それをはね返し、「自分は自分だ!」という強さがなくては生きていけない。しかし、突っ張り過ぎても人に嫌な思いをさせてしまう。ぐっと自分を抑えて、相手に優しさを持たなければ生きる資格はないのだ。
04.
みずからを愉しむことのできない人々は、しばしば他人を恨む。
イソップ物語
自分の生き方を確立して、その自由な生き方を中心とした正しい方向性を目指していれば、自分の人生を愉しめる。人を恨んでいるヒマなどない。
あとは、自分の生き方を前提として、正しい目標を立て、それに向かって進んでいくことだ。目標もなく生き方を確立しないから、他人ばかりが気になってしまうのだ。
05.
尊敬ということがなければ真の恋愛は成立しない。
ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ/ドイツの哲学者
彼は「ドイツ国民に告ぐ」という演説で、ドイツ国民の目を覚まさせ、一つの目指すべき方向を説いた。そこには国民としての誇りと名誉がある。
真の恋愛、理想の恋愛も、人としての誇りや価値に資するものであってほしいと彼は言っているのだろう。
06.
愛は、石のようにそこにじっとあるものではない。パンのように毎日つくられるものである。いつもつくり直し、新しいものとするのだ。
アミューラ・K・ル・グィン/アメリカの作家
「愛とは、毎日の実践でもある」ということを教えてくれる言葉だ。人のよいところを見て、それを育て、伸ばすことである。放っておくと、すぐにパンのように食べられなくなる。
男女、親子、ペット、草花や農作物。これらに向けた愛はすべて同じで、毎日愛することが大切なのである。
07.
愛の最高の証は、信頼である。
ジョイス・ブラザーズ/アメリカの心理学者
他人との愛は、信頼が重要なカギを握る。お互いが大事に思い合うところから始まるが、愛するがゆえに、必要以上に相手のことが気にかかり、疑うようになる。これでは、せっかくの愛がおかしくなるではないか。
だからこそ信頼が重要となる。本物の愛は深い信頼だ。信頼された人は、たとえ少しの過ちがあろうとも、すぐに反省して自分を取り戻せる。このような信頼関係が長く続くことが、本物の愛の証なのである。
08.
愛することの第一の義務は、相手の話をよく聞いてあげることである。
ポール・ティリッヒ/ドイツの神学者・哲学者
レストランなどで会話が弾んでいるのがカップルで、会話が少ないのが夫婦という冗談があるように、話を聞くことこそ、愛の基本であることが頷ける。
夫婦でも、いつまでも仲がいいのは、お互いが相手の話をよく聞く関係が続いているからだ。女性は常に共感を求め、男性にとっては自分のくだらない自慢話を喜んで聞いてくれる女性ほど嬉しい存在はないのだ。
09.
子どもたちに自分の学んだことのみを教えてはいけない。なぜなら、彼らはちがう時代に生まれているのだ。
ユダヤ教徒の言い伝え
物事には、変えてよい部分と変えてはならない部分があるということだ。子どもの教育などはその典型で、社会のルールは時代が変わることで新しくなることが多く、注意が必要だ。
問題は歴史教育。海外に行くといかに自分の教わってきた歴史が間違っているかに気付かされる。誇りを持って、自国の歴史をありのまま教えてあげるべきなのだ。
10.
子どもは大人の話を聞くのはとてもニガテだが、大人のマネをするのはとても上手だ。
ジェームズ・ボールドウィン/アメリカの作家
人は、自分のまわりからの影響を受けつつ自分という人間をつくっていく。とくに子どもは親の影響を受けて育つ。ということは、親の生き方、子どもへの接し方がよければ、それが最高の教育となる。
子どもがよい人生を送るために、言葉や行動に気をつけ、自分を素直に信頼できるような子に育ててあげてほしい。