日本ならではのモノ創りを成功させたデサント、3つの情熱とは?

普段着ている洋服のような、いわゆる “ファッション業界” では、ブランドは色や形のトレンドに合ったデザインをもとに、生地や小物をメーカーから購入し、縫製、販売するのがスタンダード。

でも、高い機能性が求められる “スポーツブランド” の場合はそうもいきません。既存の素材に縛られていては、革新的な製品の開発なんてなかなかできないでしょう。

そして今、とくにスポーツの世界で注目されているのが、夏の「暑さ対策」。都市部を中心に気温が上がり続けていて、熱中症リスクが高いことは言わずもがな。たとえば夏に開催されるマラソン競技では、スタート時間を早朝にするといったニュースを耳にした人も多いはず。

もちろん、服の生地を薄くしただけで対策ができる……わけないですよね。そこには想像を超える「科学とテクノロジーの結集」がありました。

01.
本気の “涼しい” を追求
開発に3年かけた「クーリスト」

そんな前代未聞の暑さを快適にするべく動いたのが、日本生まれのスポーツウェアブランド「デサント」です。暑さ対策に有効な素材「クーリスト」を開発し、2019年から様々なスポーツウェアに展開していく、とリリース。

「クーリスト」の特徴は、単に冷たく感じるなといった表面的な話ではなく、本当に衣服内の温度を大幅に下げるところです。

汗などが蒸発する際、表面の熱を奪い、その結果として温度が下がることはよく知られていますが、「クーリスト」の独自構造は単に蒸発しやすいだけではなく、水分の吸収が早い、というのが大きなポイント。「吸収から蒸散」までのサイクルを早くすることで、衣服内の温度を下げることに成功したのです。

さらにこのクリースト構造は、複数の素材につかえるのも大きなメリットでした。汗を多くかく部分にはより速乾性を高めたポリエステルを、肩などの動きやすさが求められる部位には肌触りが良くなるレーヨン混素材をつかうことで、快適さを保ちながらスポーツそのものに集中できるようになっています。

もうお気づきかとは思いますが、このクーリストに “既存の生地” は使用されていません。

「デサント」は、パートナーとして信頼を寄せる生地メーカーの独自技術をベースに、さらに自社の最新研究技術をプラス。こうして生まれた「クーリスト構造を持つ生地」は、まさに唯一無二の存在になったワケです。

02.
“世界一、速いウェアを創る”
モノづくりのスピリットを結集した
研究開発拠点「DISC」とは?

このクーリストの開発成功のウラには、デサントが持つ研究開発拠点「DISC」の存在がありました。DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEXの頭文字を掲げるこの研究施設は、2018年に大阪府・茨木市に新設されたばかり。

そのコンセプトは「世界一、速いウェアを創る」ここにはスペックとしての「速さ」と、世界を先駆ける「先進性」の2つの意味が込められているそう。

また、研究から分析、開発、デザインまでの組織を、単に効率を求めた “縦割り” にするのではなく、同じ空間の中で有機的に協業できる体制にしたことが大きな特徴です。

DISCがあることで、開発チームによる新しいアイデアをすぐ製品の形にし、実験・分析することができるようになったのです。これこそが、簡単にはマネできない「デサントの開発力」における大きな武器となりました。

03.
ブランドのDNA “モノづくり” への
情熱を燃やす「デサント」

デサントがこういった革新的な開発を成功させているのは、創業以来、なによりも真の機能性と日本発祥ブランドとして「モノ創り」のスピリットを大切にしてきたから。

先に紹介したクーリストにおいても、縫製こそ海外で行われているものの、糸から生地へと至るまで「日本製」にこだわっているのです。もちろんプロアスリート用のスポーツウェアともなれば、縫製まで日本の職人が丁寧に仕上げていて、その機能美への注目度は増すばかり。

デサントは今後もブランドのDNAである “モノ創り” への情熱のもと、スポーツの世界を変えるような製品開発にチャレンジし続けていくのでしょう。

→デサントのこだわりをもっと知りたい