フェンディとヴェルサーチェが……“スワップ”
ファッション業界で盛んなコラボの動き。
今年6月には「バレンシアガ」による「グッチ」へのハッキングが起こったり、ただコラボするだけでは斬新と言えなくなってきた昨今。そんななか、ミラノファッションウィークより、とっても意外なコレクションが登場。
その名も『The Swap』、つまり「入れ替え」!
2つのブランドを率いるデザイナーが入れ替わって、お互いのブランドのコレクションをデザインするという、いわば“交換留学”的なプロジェクト。
そして、おそらく世界初であろうこの形式をとったのは、イタリアを代表するトップメゾンである「フェンディ」と「ヴェルサーチェ」だ。
両ブランド名を足して「フェンダーチェ」と題されたコレクションでは、「FENDI by VERSACE」そして「VERSACE by FENDI」という異色のルックが登場。
両ブランドの頭文字「F」と「V」からFreedom(自由)、Fun(楽しさ)そしてVirtuosity(芸術性)を追求したそう。
「フェンディ」には、ドナテラが得意とするエッジィな反骨精神がプラスされ、ギリシャ的な破壊と創造を表現。一方の「ヴェルサーチェ」では、フェンディの「FFロゴ」とヴェルサーチェのバロックモチーフが調和したアイテムが登場したりと、両者ともに遊び心たっぷりな“スワップ”を表現した。
さらに、期間限定で「フェンディ」のSNSアイコンがあのメデューサになるサプライズまで!
これに向けて両社はブランドのアーカイブを開放し、メゾンのルーツを辿ってデザインのインスピレーションを得たとのこと。
新しい解釈によって表現されるアイデンティティは、斬新でありながらも歴史を感じさせる美しいものに。このバランスこそ、お互いに長い歴史を持つメゾンならでは。
卓越したデザイナー同士による“交換留学”は面白いだけでなく、相手ブランドのエッセンスに触れることで新たなクリエイションにも活かされそう。
コラボを超えた、新しいブランドの交わりのカタチを示した「フェンダーチェ」。これからも、まだまだ付きないファッション界のクリエイティビティに期待したい。