サザビーズにて「史上最高額のドレス」が落札。ダイアナ妃の伝説の一着、その額は……

先日、大手オークションプラットフォームの「サザビーズ」にて、一着のドレスが落札された。

落札額はなんと60万4800ドル、日本円にして8000万円を超える凄まじい金額だった。

© sotheby/Instagram

上質な紫のベルベットでできたイヴニングドレスは、かつて故ダイアナ妃が着用していたもの。

ハート型のネックラインと、それを形作る美しいギャザー。チューリップ・シルエットのスカートも、卓越したクチュリエの技術を伺わせる。

それもそのはず、このドレスは英国の伝説的クチュリエ、ヴィクター・エデルステインが手がけたもの。彼は“英国の一流服の巨匠”と呼ばれるほど高名なデザイナーであり、特にダイアナ妃へ数々のドレスをデザイン・提供したことで知られている。

そして実はこれ、王妃のドレスの公示価格としては史上最高額

今まで最高額だったのは、同じくエデルステインが手がけた“トラボルタ・ドレス”の名で知られる一着。1985年に王妃がホワイトハウスの晩餐に参加した際、あのジョン・トラボルタと『サタデー・ナイト・フィーバー』の曲で踊ったことにちなんで名付けられたのだそう。

公の場で着用され、知名度も高かったトラボルタ・ドレスとは対照的に、今回のドレスは公に披露されたことはなく、彼女のプロモーション用に撮影された何枚かの写真に写されたのみだという。

実際、ダイアナ妃の没前に開かれたオークションでは、このドレスの落札額は2万4千ドル程度で、驚くほど高額というわけではなかった。

これを踏まえて、サザビーズは今回も8〜12万ドル程度の落札額を見込んでいたそうだが、予想を遥かに超え、紫のイヴニングドレスは「史上最高額」の座を獲得。

価格が跳ね上がった理由について公式な見解は示されていないが、このドレスは「チャールズ皇太子(現国王)との結婚生活の中で着用された、もっとも有名なコレクション」の一つであるため、チャールズ国王の戴冠が関係しているのかもしれない。

© Sothebys/Twitter

それにしても見事なドレス。

プレミアとは言え、一着の服にこれだけの値段がついたというのは、昨今問われている”クチュールの価値”に新たな光を差す例かもしれない。

プレタポルテやファストファッション、更にはデジタルファッションが市場を席巻する現代だが、タイムレスなクチュールの価値は、どんな形であれ、やはり廃れないもののようだ。

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