ラテンアメリカ諸国、フランスでの遺物オークションを強く批判
今月8日に、ラテンアメリカの6カ国からのパリ大使が共同声明を発表。
今月8日、ラテンアメリカの6か国の大使が共同声明を発表。その内容は、フランスでのラテンアメリカ遺物オークションを批判するもので、今後同様のオークションの中止を求めたもの。
声明を発表したのは、エクアドル、グアテマラ、メキシコ、パナマ、ペルー、ドミニカ共和国。
先月、パリの「ミロンオークションハウス」で、ヒスパニック以前(つまりスペインによる植民地支配以前)のメキシコの工芸品30点が販売されたことを問題としているようだ。
メキシコは近年、世界中の個人収集家が所蔵する遺物の回収を試みており、今回の声明もメキシコ大統領のオブラドール氏が、オークションを批判したことが発端となっているようだ。
またメキシコは、遺物の返却を求めるているだけでなく、ZARAなどのヨーロッパファッションブランドが、ラテンアメリカ地域の先住民の伝統的なパターンをデザインに使用していることを「文化の盗用」であるとも批判している。
近年は、アートブームともなっており、遺産などの貴重品も投資対象として、注目を集めている。
しかし、遺産は本来その地域の人々に帰属するべきであり、今回の問題も慎重に議論が行われることに期待したい。
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