『We Are The World』収録の現場で、豪華スターをひとつにしたもの。
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
『We Are The World』がレコーディングされた日
海外の文化への興味や関心、音楽の趣味・趣向に関係なく、おそらく多くの人が耳にし、その歌詞の内容を理解できていなかったとしても、きっと、そこに込められた“何か”を感じとることができるだろう、80年代最大のヒット曲『We Are The World』。
クレジットされたアーティスト名は「USA For Africa」。
これがソロアーティストやバンド名でないことはご存知の通り。あらためて、まずは以下のミュージックビデオでその参加アーティストの顔ぶれをご覧ください。
ライオネル・リッチー
スティーヴィー・ワンダー
ポール・サイモン
ケニー・ロジャース
ジェームス・イングラム
ティナ・ターナー
ビリー・ジョエル
マイケル・ジャクソン
ダイアナ・ロス
ディオンヌ・ワーウィック
ウィリー・ネルソン
アル・ジャロウ
ブルース・スプリングスティーン
スティーヴ・ペリー
ダリル・ホール
ヒューイ・ルイス
シンディ・ローパー
キム・カーンズ
ボブ・ディラン
レイ・チャールズ
読みづらいのは承知のうえで、あえてリード部分を歌っているアーティスト名を列記しました。「〜などの」や「〜といった」と割愛することの許されない、錚々たるメンツ。
コーラスや演奏などを含めると、参加アーティストは総勢45名。全員がスーパースター。まさにドリームチームです。
38年前(1985年)の今日1月28日は、全世界で2000万枚を売り上げた『We Are The World』がレコーディングされた日です。
アフリカはエチオピアで干ばつによる食糧不足で犠牲者が100万人にも及ばんとするそのとき、社会活動家としても知られる米・歌手のハリー・ベラフォンテの発案によりスタートしたこのプロジェクト。
時代を代表する有名アーティストたちが、その志とアクションに賛同して多数参加を表明するも、関係者やアーティストが後に語った内容によると、レコーディングの現場は異様な空気に包まれていたといいます。
それもそのはず。そこに集まっているのは、全員合わせて10億枚を超えるセールスを誇るスターたち。一筋縄でいくはずがありません。
キャリアやジャンル、人種の壁やそれぞれの矜持を乗り越えながら、約10時間を費やし、1月29日の未明、レコーディングは終了しました。
私たちはひとつの世界 私たちは子ども
私たちこそが 明るい明日を作ることができる
だから 与えることをはじめよう
私たちは 選ぶことができる
私たちは 自分の命を救うことができる
本当だよ もっといい日になるよ
あなたと 私で
それぞれが自身のエゴやプライドを胸にしまい、歌詞の一節にある、こんな想いを共有できたのは、歌のチカラと「世界を救いたい」という尊い気持ちがあったからにほかならないでしょう。
今こそが、ひとつになるとき──。
あらためて、この曲の偉大さを意味を噛み締めてみてはいかがでしょうか。