「ザ・ビートルズ」のゲリラ&ラストライブ、ジョン・レノンが聴衆に贈った言葉とは?
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
「ザ・ビートルズ」がビルの屋上でゲリラ&ラストライブ(ルーフトップ・コンサート)を敢行した日
1960年に誕生し、2年後にシングル『Love Me Do』でレコードデビュー。そして、1970年、事実上の解散──。
わずか10年足らずの活動期間にもかかわらず、世界をその音楽とカルチャー一色に染め上げ、現在もロック/ポップスシーンの歴史を語るに欠かすことのできない英国のバンド「ザ・ビートルズ」。
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターによる4ピースバンドは、活動開始から現在に至るまで、じつにさまざまな大記録を打ち立てています。
結果、米・カルチャーメディア『Rolling Stone』の「歴史上でもっとも偉大な100組のアーティスト」では堂々の1位に、そして老舗経済紙『THE WALL STREET JOURNAL』の「史上もっとも人気の高いロックバンド100」でもトップに輝き、極めつけは、2001年、その累計セールスから「世界でもっとも売れた男性グループ」としてギネスに認定されるほどです。
そんなザ・ビートルズの歴史のなかでも、今なお語り継がれる伝説のライブがあります。
まずは下の動画をご覧ください。
1969年の今日1月30日に決行された、通称「ルーフトップ・コンサート」。
自身のレーベルなどを運営する企業「アップル・コア」のビルの屋上でゲリラ的におこなわれた、全10曲、約40分間のザ・ビートルズの“ラストライブ”です。
イギリス・ロンドンの中心部にあるメイフェアの大通り・サヴィルに立つ5階建のビルの屋上から名曲『Get Back』のイントロが流れると、周辺はたちまち大混乱に。車道は人で埋め尽くされ、警察が出動する事態となりました。
が、そこはさすが、解散から50年以上たつ今でも世界中に多くの熱狂的なファンをもつザ・ビートルズ。
ビルの屋上にライブの中止を求めて駆け上がってきた警官の指示など意に介さず、最後の一曲まで演奏を続け、リーダーであるジョン・レノンはギターのストラップを外しながら、ビルを見上げるオーディエンスに向かって、マイクを通じてこうメッセージします。
I'd like to say Thank you on behalf of the group and ourselves and I hope we passed the audition.
(グループを代表してお礼をいいます、ありがとう。あと、僕ら、オーディションに受かるといいんだけど.....)
この、シニカルで洒落た感性こそが、信者とも呼べるほどの熱いファンと文化を生み出した理由かもしれません。
ギター、エレキベース、ドラムという、現在の“バンドの座組”の基礎を作ったともいわれるザ・ビートルズ。
もし、テクノロジーが発達する現代にもバンドが存続していたとしたら、いったいどんな音楽世界を楽しませてくれていたのでしょうか?