「Why?」「 What?」の果てに見つけたLOVE & PEACE
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ジョン・レノンが生まれた日
いつの日かすべての人間が考え方や国の違いを超えてひとつになれたら……。
ジョン・レノンが自身の代表作『Imagine』のなかに込めたメッセージです。この曲ほど、世界中の多くの人々の意識の中に入り込み、心に余韻を残す曲はないかもしれません。
今日、10月9日はジョンが生まれた日。
1960年代、リバプールを出発して世界の頂点を極めた20世紀を代表するロックバンド。人気の絶頂にあった「The Beatles」でしたが、富と名声を得てもなお満たされぬ想いがジョンの中にはあったといいます。胸中に去来したものはなんだったのでしょう?抱き続けた「Why?」と「What?」。目的を失いかけたとき、出会ったのがヨーコ・オノでした。
メンバーとの不和、それを引き金とする法廷闘争が決定打となり1971年3月、The Beatlesは解散(事実上の解散は1970年4月)。『Imagine』がリリースされたのは、解散決定から半年後の10月でした。
そうして1975年10月9日、ヨーコとの間に長男(ショーン)が生まれました。奇しくもジョンと同じ誕生日なんですよね。
息子ショーンのためにすべての時間を与えたいと、ジョンは5年に渡り音楽活動を休止し、主夫としておむつを替え、パンを焼き、育児に費やしたそうです。
没後40年の節目を迎えた昨年は、多くの特集や追悼番組が放映されました。そのなかに「BBC」トム・ブルック記者が残したこんなメッセージがあります。氏は1980年12月8日、NYダゴタハウスの玄関先でジョンが凶弾に倒れた際、真っ先に現場に駆けつけたひとり。
「異論や批判の多い、物議をかもすような発言や行動も多かった。けれども、彼は決して偽者ではなかった。常に、自分らしく、自分に正直に行動していた」。
ジョンのメッセージは、たんなる理想論と言われることもあります。でも、彼がストレートに表現した感情は、愛、平和、そして団結といったテーマと重なり、連綿と今日まで受け継がれているのもまた事実。
自身の政治的見解を音楽に昇華させたジョン・レノン。
平和を求める人々のスローガンとなった『Imagine』。
一見、簡単そうに思えるLOVE & PEACE、それがなかなか実現できずにいる世の中。今を生きる私たちにもできること、それもきっと“想像”することから始まるんじゃないでしょうか。
“Imagine all the people living life to peace”