音楽業界の低炭素ライブに関するレポートが発表

トリップホップの先駆者として知られる英・ブリストル出身のバンド「Massive Attack」は、以前より環境問題へ取り組む強い姿勢を見せながら活動を行ってきた。

そんな彼らが今回、気候変動への対応策を研究する「Tyndall Centre For Climate Change Research」と共同で、「超低炭素な音楽ライブへのロードマップ」と題したレポートを発表。

Massive Attackは2019年から、自身のツアーに関する様々なデータを提供し、そのデータを用いて、科学者たちが具体的なアクションをまとめた内容になっているようだ。

主な具体策は以下のようになっている。

・旅行と輸送を最小限に抑える方法でツアールートを計画する
・チケット価格に公共交通機関での移動を含める
・ソーラーパネルなどの再生可能エネルギーを現場で生成する
・ギグやコンサート会場は再生可能エネルギーを使用するべきである
・エネルギー効率の高い照明や音響機器を使用する
・電気自動車や電車を使って会場間を移動する
・音楽会場で便利な自転車置き場を提供する
・プライベートジェットは禁止し、飛行機移動もできるだけ避ける。
・建物のエネルギー使用量を削減するために行動を起こしている会場で演奏する
・公共交通機関で旅行することを選択したファンにインセンティブを提供する

またメンバーの1人であるRobert Del Najaは、アーティストがたくさんの音響機材を持ってツアーを回るのではなく、現場にある音響設備を可能な限り使う「プラグアンドプレイ」というアイデアも推奨。

研究を率いたCarly McLachlan教授は、「ライブ音楽業界が本当に脱炭素化するためには、次のツアーのはじめから開始する必要がある」とコメントを残している。

Massive Attackは、このレポートを経て、具体的な炭素排出削減案を設計し、2022年のツアーから実行していくとのことだ。

ちなみに今回レポートを発表した両者のチームは、去年10月に、音楽業界と気候変動 の影響を検証したショートフィルム(字幕英語のみ)も公開しているので、興味のある方はこちらも視聴してみて欲しい。

© MASSIVEATTACK.IE/YouTube
Top image: © dwphotos/Shutterstock.com
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