4億人が熱中する「Roblox」独自の音楽チャートを公開

若年層から驚異的な支持を受けるオンラインプラットフォーム「Roblox」が、2025年に独自の音楽チャートを公開することを発表した。

ゲーム内でのコミュニティや仮想通貨の流通など、メタバース界を席巻するメガプラットフォーム。どうやら音楽業界においても、着実に勢力を広げているらしい。

Roblox、音楽チャートシーンへ参入

現在、総ユーザー数4億人以上とも言われるRoblox。“ゲーム版YouTube”とも評されるのは、約4000万以上のゲームのすべてがユーザー自身によって作られるという、最強のエコシステムに由来している。その圧倒的なユーザーベースとクリエイティビティから、ゲーム業界において確固たる地位を確立させたrobloxがいま注力しているのが、音楽チャートシーンへの参入らしい。どうやら、YouTubeやTikTokのようにユーザー間における音楽トレンドの追跡を目指しているそうだ。

というのも、Robloxはユーザーがゲームを作成する際に膨大な量のオーディオライブラリから無料でサウンドを選べたり、独自の音楽やサウンドをアップロードすることができるなど、音楽との親和性が非常に高いことでも知られている。

オンラインメディア「Music Business Worldwide」によれば、彼らは「Sony Music」や「Universal Music Group」といった業界大手と協力し、ゲーム内におけるさまざまな音楽を制作、過去6年の間に約12億ドルの収益を生み出したという。

そんなRobloxの音楽体験を後押ししたのは、今年3月に導入された新機能「Boombox」だ。Robux(Roblox内の仮想通貨)で購入できる有料アイテムのひとつで、ゲーム内で特定の音楽を再生できるアイテム。これは主にRobloxのアバター向けに使われ、Boomboxを装備して音楽を鳴らすことで、周囲のプレイヤーとも一緒に楽しめることで人気に火がついた。

もうひとつ、同じく最近導入された「What's Playing」という機能は、「Shazam」のようにゲーム内で再生されているサウンドのタイトルや情報を画面上に表示し、どんな曲が流れているかを瞬時に確認できるという便利な機能だ。

ゲーマーによる、ゲーマーのための
音楽空間の構築

ここまでRobloxがゲームサウンドにこだわる背景には、ユーザーエンゲージメントの向上や音楽業界とのさらなる協力関係の構築を図る動きなどが考えられるが、なかでも大きく影響していると思われるのが「クリエイターエコシステムの拡充」という点ではないだろうか。

ゲーム内におけるほとんどのサウンドをユーザー自身が作り上げ、それをユーザーが楽しむ。そこに音楽チャートが導入することで、これまで不透明だった人気の楽曲やトレンドが視覚化され、より独自の体験を作り出すきっかけにもなるはずだ。

こうしたサステイナブルな循環機能が、Robloxというメタバース内での音楽消費の拡大に繋がり、プラットフォーム全体の成長にも寄与していくのだろう。この先、彼らがメタバースの世界を飛び出し各業界に新風を吹き込んでいく姿を想像するだけでも、興奮が最高潮に達しそうだ。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。