世界でいちばん「ヒドい芝生」が決定!
スウェーデン南部、バルト海に浮かぶゴットランド島で一風変わったコンテストが行われた。
それは……「もっとも酷い芝生」を競うもの。
冬枯れのように茶色く変色したり、雑草まみれだったり、土っぽく緑のあの生き生きとした芝生のかけらも見られない、とにかくヒドい状態の芝生コンテスト。
優勝したのはMarcus Norströmさん。茶色く泥だらけで緑の草が見当たらない芝生だった。
コンテストを紹介した「The Guardian」によると、審査員は「ゴットランドのもっとも醜い芝生を求める我々の期待にこたえ、持続可能な改善のための条件を備えた本当にお粗末な芝生」とこれを評したそうだ。(評しているのかw?)
それにしても、なにゆえそんな汚い芝生を競ったのだろう? コンテストの背景にあったのは、節水の促進だ。
今夏、ヨーロッパで発生した記録的な干ばつはスウェーデンにも多くの災害をもたらした。水の供給にまつわる問題は、緊急性を増してきている。
経済協力開発機構(OECD)による2022年の政策報告書によれば、2021年から2050年のあいだに、ゴッドランド島の水の利用可能量は13.3%減少するという予測に対し、需要は2045年までに40%以上増加するとの予測も。
喫緊の水不足問題に対し、どう対策を立てていくか。そうしたアイデアのひとつが、芝生への散水を控えるというネガティブ面を逆手に取ったコンテストだったのだろう。
こうした一歩一歩の努力の甲斐もあり、ゴットランド島の水道使用量は昨年に比べ減少しているんだそう。
些細な意識の変化をひとりひとりが起こすことで、持続可能な社会の実現に少しでも近づけていくことができるという、“いい例”とも言えるのでは?
さて、優勝したMarcusさんへの副賞だが、庭師のフリーコンサル(2時間)が贈られたんだって。