ラスベガス、“装飾用”の芝生を法令で禁止
アメリカ屈指の大都市、ネバダ州のラスベガス。
大都市ではあるものの、その立地は砂漠のど真ん中。大げさに言えば、水の活用が命取りになるこの街で、近年あることが問題視されている。
それは、人々が歩くためでもなければ、活用されてもいない、完全に装飾目的の芝生が8万平方マイルもあること。
「そんなに芝生があるなんて、いいことじゃん!」とも思えるが、これを維持するための散水が結構バカにできない量らしい。
昨年、240日間降水なしという極度の干ばつに見舞われ、さらに州の重要な貯水池であるミード湖が枯渇しはじめているということで、とにかく水を無駄遣いしないことが求められている同州。
これを受けて州政府は、利用されていない芝生を廃止にすることを決定。完全に廃止された場合、地域の年間排水量を15%も削減できるそう。
これにはオフィスビルや公園のほか、一般住居やゴルフ場まで含まれているようで、撤去には助成金が出されるとか。......さすがはラスベガス、水はなくてもお金はあるんだね(笑)
ちなみに、撤去された芝生は造園へと作り替えていくそう。
アメリカ国内はもとより、世界でも類を見ない政策だけに違和感を感じてしまいそうだが、それだけ緊迫している課題のようだ。
「ベラージオの噴水」とか、もっとほかに削減できそうなことあると思えるけど......あれがなくなるのもそれはそれで寂しいし、うまく節水に成功してほしいところ。
芝生があるって環境にいいことに感じられるけど、そう簡単ではないみたい。切迫する気候変動もいよいよ他人事ではなくなってきたというトピックス。ラスベガスにとどまらず、これからの世界の取り組みにも期待したい。
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Top image: © Sean Pavone/Shutterstock.com