Appleも遂に...!次なる革新的な生成AIの誕生となるか
「ヒーローは遅れてやってくる」──漫画や映画の世界でよく使われる表現だ。
それは、ご存知「Apple」の行動にも当てはまるのではないだろうか。実際、同社は遅れて市場に参入し、優れたプロダクトで競合製品を一掃することで有名。
たとえば、今年6月に大きく話題となったヘッドセット型PC「Apple Visions Pro」もそのうちのひとつ。
この頃、すでに「Meta」を中心としてメタバース市場は急成長を遂げていた。
それまで「Appleは、なぜメタバースの波に乗らないのか?」と疑念を持つ人も多かっただろう。しかし、彼らは突如、業界を変革するプロダクトを世の中に送り出した。
さて、そんなAppleが新たな動きを見せていることをご存知だろうか?
Visions Proが発表された「WWDC 2023(Worldwide Developers Conference)」において、まったく口にされなかった“バズワード”がいくつかある。
そのうちのひとつが、AIだ。
Appleがつくる生成AI
通称「Apple GPT」
AIについて沈黙を貫いてきたAppleが最近、AIチャットボットを開発していると「Bloomberg」が報じた。
名前はまだ明らかになっていないが、一部のエンジニアによると内々に「Apple GPT」と呼ばれているらしい。
現在は社内向けツールとして展開中。テキストを要約し、データをもとに質問に答えるといったChatGPT同様の機能は備えられており、従業員は製品のプロトタイピングに役立てるためApple GPTを使用しているのだとか。
しかし、現状使用するためには特別な承認が必要で、全社員が使用可能というわけではないようだ。
フレームワーク「Ajax」
「Siri」をアップデートか
言うまでもなく、生成AIは大規模言語モデルを基盤としている。ChatGPTで言うと「GPT-3」や「GPT-4」がそれに当たる。Appleもこの大規模言語モデルを自社で構築しており、それが「Ajax」と呼ばれるフレームワーク。
ここで、ひとつ問いたい。
もっとも身近なAIといえば──?
それはChatGPTでも、Stable Diffusionでもなく、「Siri」ではないだろうか。その起源は、じつに1964年に遡る。「ELIZA」という対話システムをベースとしているらしい。
最近話題となっているAIサービスの歴史と比べてもその差は歴然。しかし、ここ数年間はAmazon「Alexa」やGoogle「Googleアシスタント」に先を越され風下にたつ状態。
Ajaxは、SiriをはじめとするAppleのアプリケーションをアップデートすることが可能だそう。それによって、再びSiriが脚光を浴びる可能性があるというわけだ。
来年、Appleが“動く”
可能性がある
関係者によると、Appleは来年、重要なAIに関する発表を行うことを目指しているらしく、大規模言語モデルや生成の領域に精通しているエンジニアを求めているようだ。
GoogleやMicrosoftなどテックジャイアントと比べて、AI分野において慎重に動いてきたApple。これまでの歴史から考えて、来年状況を一変させるかもしれない。