本当に悪質なのはどっち?「偏見」の実情を描いた物語がリアルすぎる……
YouTubeに投稿された1本の動画。
ある女性が、医者に「HIVに感染している」と告げられるシーンから物語がはじまる。
同様に感染したと思われる登場人物たちが店や病院で出くわすのは、拒絶的な態度や冷たい視線……。涙を流す彼らに、寄り添ってくれる人はいない。
果たして、彼らの心を蝕む最大の不安は「HIVそのもの」?いや、周囲から浴びせられる「偏見」の方がよっぽど悪質に見えないだろうか。
この啓発動画を制作したのは、イギリスの慈善団体「Terrence Higgins Trust」。彼らの掲げるビジョンは、新たなHIV感染者を出さず、HIVとともに生きる人々が必要なサポート受けられる社会を構築すること。そのためにまず、HIVに関する誤解を払拭することは不可欠だ。
そもそもHIVとは、ヒトの免疫力を低下させるウイルス。主に性行為によって感染し、免疫に大切な細胞が減ることで、普段は感染しない病原体にも感染しやすくなる。
裏を返せば、それ以上でもそれ以下でもない。
空気感染や日常生活の中で感染する可能性は限りなくゼロに近いと言われているし、治療をすれば症状を防ぐこともできる。にも関わらず、性感染症のイメージだけが独り歩きした結果、偏見という強烈な“ウイルス”が生み出だされてしまったのだ。
この動画を再生して1分後、偏見の蔓延にストップをかけるかどうか、あなた自身で決めてほしい。
© YouTube / Terrence Higgins Trust
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