イギリス版「お風呂キャンセル界隈」のシンボルカラー、できました
2024年夏。今まで見向きされてこなかった「アシッドグリーン」が、ついに脚光を浴びる──。
これは、バービーブームへの反逆だ
6月に発売されたCharli XCXの新アルバム『Brat』は、「ビルボード200」において彼女のキャリア最高位を記録。その人気も相まって、TikTokでは何千もの自称“Brat”たちが、自分なりに「Brat」の解釈を説明した動画を投稿し始めた。
かつてヘルシーでシンプルなファッションスタイルの女性を刺す表現として定着した「Clean Girl」。TikTokを中心に2021年後半ごろよりトレンド化したワードだ。まさにこの正反対にあたるのが「Brat」だと多くのユーザーは捉えている様子。ある種の無謀さや気骨さ、さらには最高の自信を表すアンチテーゼのような言葉であるとの認識のようだ。それというのも、Charli自身が「Brat」とは何か問われると、「trashy(くだらない)」であると述べていることからも。
Bratをさらに噛み砕いて説明するならこう。メイクを落とさずに寝たり、クラブで遊び疲れた夜中の2時に玄関のドアをふらふらと開けたり、衝動的にタトゥーを入れたりすること……こういった解釈が当てはまるらしい。
ちなみに、TikTokでは「最近まったく髪洗ってないし、携帯のバッテリーは18%だし、ソーダ缶を飲んでる。なんかBrat Summerが始まった気がする」といったように、努力をやめた、あるいはまったく努力していないように“振る舞う努力”がトレンドになっているというからオモシロい。
健康意識の高い丁寧な暮らしを目指すことを諦め、ありのままの自分を許そうという風潮は、どこか日本で言うところのお風呂キャンセル界隈に近い印象を覚える。
世界が「アシッドグリーン」に
染まっていることにお気づき?
ところで、Charli XCXのアルバム『Brat』には、もうひとつZ世代の人気をかっさらった仕掛けがあった。一切のムダを削ぎ落とした超〜シンプルなジャケ写だ。彼女のスタイリストであるChris Horan氏によると、これは65種類の見本から選び抜かれた至極の色合いなんだとか。
さらには、アルバムのプロモーションとして公開した無料ツール「Brat Generator」がバズを加速させる。同ツールを使えば、自分の打ち込んだテキストがアルバムカバーっぽく模倣できるというものだ。
何にせよ、彼女の大胆不敵なアートスタイルは、超がつくほどZ世代の心を射止めることとなり、これをきっかけに普段あまり使われないアシッドグリーンが「Brat Summer」にとって欠かせないトレンドカラーとなったというわけ。
まったく誇張ではない。実際に「#Brat」を使った投稿は、Instagramで200万以上、TikTokでは95万以上も見受けられ、ファッションやメイク、はたまた日用品にまでアシッドグリーンを取り入れるムーブメントが起きている。
「Brat」に資格はいらない
とにかく、今年の夏アシッドグリーンに染まった「Brat Summer」が訪れることは間違いない。というか、すでにもう始まっているし。
無理をしてクラブに通ったりクールに振る舞う必要はない。なんなら、メンズもOK。ちなみに、Charliは「Brat」において必要なモノは、ストラップ付きの白いタンクトップと安いライターだけだと述べている。
面倒くさいことなんか全部あと回しにして、今すぐ「Brat Summer」の波に乗っかってみたら……?