2024年にフィンランドでするべき9つのこと

湖、サウナ、オーロラ、白樺の木にフィヨルドから、サンタクロースだったり、やっぱり『ムーミン』だったり──。

魔法がかかったような絶景や、休息と健康増進のためのアクティビティで知られる世界でもっとも幸せな国フィンランドは、世界から多くの旅行者を集める観光地でもある。

その旅行先としてのフィンランドブランドの魅力を伝える「Visit Finland(フィンランド政府観光局)」が、スタートを切ったばかりの新年に「ぜひ!」と推す、“2024年にフィンランドでするべき9つのこと”を発表している。

それぞれについて以下で簡単に紹介していくので、いまのフィンランドでおさえるべきことをチェックしていこう。

01.
「ヨーロッパ・ガストロノミー地域賞」受賞予定のサイマーで、グルメと自然の恵みを堪能する

(左)Visit Saimaa (右)Visit Saimaa©Visit Finland

世界の食通がいま注目する都市なのが、フィンランドの湖水地方に位置するSaimaa(サイマー)だ。

その独自の食文化を守る姿勢は、2024年に「ヨーロッパ・ガストロノミー地域賞」受賞が決まっているなど高い評価を受けた隠れた名所でもある。深い森やヨーロッパ最大級の大きさを誇るサイマー湖で獲れた野生動物や季節の収穫物を利用する地元の料理や、オリンマキ・ワイナリーなどで生まれる地場のワインを楽しもう。

02.
北極圏で映画を24時間鑑賞する

(左)Anniliina Lassila、Midnight Sun Film Festival、Sodankylä(右)Sonja Tolonen、Midnight Sun Film Festival、Sodankylä©Visit Finland

映画と文化の中心地ラップランドの人口1万人足らずの小さな町、Sodankylä(ソダンキュラ)で、毎年6月中旬に開催されるのが『Midnight Sun Film Festival(ミッドナイト・サン・フィルム・フェスティバル)』だ。

期間中、街中の4つの素敵な会場で新旧のさまざまな映画が24時間上映されるこのフェスティバルには、海外からのゲストも多く訪れ、なかにはフランシス・フォード・コッポラやヴィム・ヴェンダースのような有名人を見かけることもあるのだとか。映画大好き!と自負するようだったら、6月のフィンランドを忘れることなかれ。

03.
欧州グリーン首都、ラハティでクロスカントリースキーを楽しむ

(左)Mikko Huotari、Visit Finland,(右)Simmarihiihto、Visit Finland©Visit Finland

北欧のフィンランド人にとってクロスカントリースキーは国民的なスポーツだ。シーズンは5月まで続き、春までオーロラの下でスキーを楽しめるロケーションが魅力。

首都ヘルシンキからわずか1時間の距離にある都市Lahti(ラハティ)は、「FIS(国際スキー連盟)ノルディックスキー世界選手権」を7回開催するほどに整備されたスキーコースを有している。高い環境保全の成果をだしている都市に贈られる表彰する「欧州グリーン首都賞」を2021年に受賞しラハティでは、何千キロにもおよぶスキーコースのなかで、凍った湖による冬景色と日光浴を楽しめるだろう。

04.
フィンランド、スウェーデン、ノルウェーの3ヵ国を10秒で訪れる

(左)Lapland North(右)Marjaana Tasala、Visit Finland©Visit Finland

フィンランド北部の小さな村 Kilpisjärvi(キルピスヤルヴィ)では、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの国境が一点に接するポイントのモニュメント“三国ケルン”を訪れることができ、3ヵ国を10秒で周遊することも可能だ。

そして、白夜が2カ月以上も続くこの村の楽しみはそれだけではない。標高1029mのサーナ山で、夏至の時期にはスキーを楽しむと同時に山中に美しい花々を眺めたり、キルピスヤルヴィ湖のほとりでサウナと遊泳やカヌーに乗って遊んだりができる。また、秋には黄金色に染まる景色のなかのハイキングなども楽しめ、季節によって多様なアクティビティに出合えるだろう。

05.
リジェネラティブ(再生可能)な旅を促進するホテルに宿泊し、自然保護ホリデーに参加する

(左)Hawkhill Resort、Visit Finland(右)Teemu Tuomaria、Haltia Lake©Visit Finland

ヌークシオ国立公園の中心にあるホテル「Haltia Lake Lodge(ハルティア・レイク・ロッジ)」では、旅行者が生物多様性の保全に携わることのできる体験を提供し、数々の賞でその活動を評価されている。同ホテルでは2024年夏に初めてグループ向けに、地球環境に配慮した「自然保護ホリデー」というプログラム提供が予定され、さらなる環境と地域社会への貢献に参加ができるそうだ。

旅行者がより有意義に旅をし、地域社会の幸福への貢献を促すリジェネラティブ(再生可能)な旅の取り組みは、フィンランド各地でも体験できるだろう。こんなところも世界でもっとも幸せな国と呼ばれるゆえんなのかも。

06.
サウナの熱気の中で世間話を楽しむ

(左)Art Sauna Serlachius(右)Lonna Sauna、Visit Finland©Visit Finland

人口560万人に対し、300万を超えるサウナを有するフィンランド。そのサウナ文化はユネスコの「世界遺産」に登録されている。

Mänttä(メンッタ)という都市にある世界で唯一の格調高いアートサウナや、ヘルシンキ中心近くの島にボートで訪れることができる丸太で組まれた手作りサウナ「Lonna Sauna(ロンナ・サウナ)」はサウナ旅に最適。聖なるJerisjärvi(イェリスヤルヴィ)湖のほとりにある最北の公共サウナ「Arctic Sauna World(アークティック・サウナ・ワールド)」ならば、Ylläs-Pallas(ユッラス・パラス)国立公園でのハイキングあとに静けさと深いリラクゼーションの至福のひとときを過ごせるはずだ。

07.
首都ヘルシンキで“愛”を祝う

(左)Mika Ruusinen、Helsinki Partners(右)On the Bike、Tom of Finland Foundation©Visit Finland

フィンランドの首都 ヘルシンキは、世界有数のLGBTQ+フレンドリーな都市として知られている。

毎年10万人以上が参加する「ヘルシンキ・ゲイ・プライド・フェスティバル」では1週間にわたってカルチャーイベント、パーティー、デモンストレーション、展示会などが開催され、街全体が虹色に染まりつづける。世界的に著名なゲイアーティスト、トム・オブ・フィンランドが描いたデザインのベッドリネンを使用するホテルもヘルシンキには多々あり、フィンレイ社のそのベッドリネンは、お土産として購入も可能だ。

また、リニューアルオープンした北欧最大のゲイクラブ「DTM」では、あらゆる性的少数者を歓迎するナイトライフを楽しむことができるだろう。

08.
ヨーロッパ最後の荒野で野生動物を観察し、写真撮影を楽しむ

(左)Danny Laredo、Visit Finland(右)Antero Aaltonen、Visit Finland©Visit Finland

サンタクロースもいるラップランドでは、トナカイはよく見かける動物であり、道路を横断してフィンランドでは珍しい渋滞を引き起こすこともあるのだとか。

手つかずの美しい風景には、オオカミ、オオヤマネコ、ワシ、ツル、白鳥など多くの野生動物や野鳥が生息しており、5月の初めから9月頃まではクマの観察もできるという。

フィンランドでは、サウナの熱気の中から野生動物を観察することができるユニークなツアーもあり、「Hossan Karhut’s Bear Sauna Safari(ホッサン・カルフートのベア・サウナ・サファリ)」では、サウナでくつろぎながら窓越しにクマやその他の野生動物をじっくり眺めることができるそうだ。

09.
氷上釣り、氷上クルーズ、氷のホテルに宿泊

(左)Icebreaker Sampo、Kemi Tourism(右)Snow Hotel Suite、Kemi Tourism©Visit Finland

フィンランドの湖水地方では、凍った湖で1月から3月にかけて穴釣りを楽しめる。北部のサイマー湖では、寒い冬の間でもたくさんの魚が釣ることができるだろう。

ラップランド第二の都市・Kemi(ケミ)にある有名な世界唯一の砕氷船「サンポ号」に乗れば、凍った海の絶景を楽しむことが可能。「Arctic SnowHotel(アーティック・スノー・ホテル)」の雪壁と氷の部屋での宿泊は、一生に一度の思い出になるはず。

さらなる挑戦をしたい観光客は、フィンランドの地元の人々のように、凍った湖や海に浸かることで幸せホルモンの分泌を促し、健康増進を図ってみるのもおすすめだ。

Top image: © iStock.com/Michael Hausmann
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