物流の「2024年問題」。解決に向けた企業のアイデアがおもしろい!

物流・運送業界をとりまく「2024年問題」が叫ばれて久しい。

働き方改革により人手不足の深刻化が懸念されるなか、ドライバーの全体の労働時間が削減されることで、長距離でモノが運べなくなることが危惧されている。

そうしたなか、業界の垣根を超えて物流を効率化させる動きが活発化していることにも注目したい。将来的に、物流はどう変化していくのか。業界のみならず消費者の立場からも考えさせられる記事を中心にまとめてみました。

近い将来、“クロネコ”は
空からやってくる!?

物流“新時代”の到来を予感させるニュースが登場したのが、2023年5月。空の輸送「物流eVTOL機」の研究開発を「ヤマトホールディングス株式会社」が発表した。

同社は昨年3月から、360°推力偏向システムによって垂直離着陸や高度な機動性を可能にした航空機用推進器(サイクロローター)の開発事業者である「CycloTech(サイクロテック)」と共同開発を続けてきた。

強風下でも狭い土地に正確に着陸できる中型eVTOL航空機の成立性を実証する段階ではあるが、狭い土地への着陸や厳しい気性環境下でも安全な運用が可能となるとのこと。

近い将来、空からやってくる黒猫に注目だ!

英「ロイヤルメール」
ドローン配送開始へ

そのヤマトに先んじてドローンを活用した物流展開の可能性を探ってきたのが、英「Royal Mail」。

物流会社「Windracers」との共同プロジェクトは、2025年までに「ドローン配達」用に新たなルートを50以上確保し、最終的にはロンドンに500機以上の「Mail-Windracers」ドローンを導入を目指すとしている。

じつはイギリスにおいても日本と同じような、物流における人手不足や高齢化が懸念されてきた背景がある。同国の「空の郵便配送」の実現は、日本が直面する問題へのトーチライトとなるだろうか。

駅構内のコインロッカーで
荷物の受け取りができる!

宅配ボックス、置き配、コンビニ受け取り……再配達によるドライバーの負担を軽減するため、いまさまざまなサービスが増えているが、その“受け取り場所”として、あらたに公共の場所として目をつけたのが、駅。

スマートロッカーの開発に取り組む株式会社「SPACER」が、今夏より大阪梅田駅、豊中駅構内のコインロッカーで荷物の受け渡しをするサービスを開始した。専用サイトから商品やサービスをオンライン注文することで自分の好きなタイミングで荷物を受け取ることができるというもの。

なるほど、コインロッカーにそんな使い方があったか!EC全盛の現代に新たな配送手段となる可能性を秘めているのでは?

たぶん、最強の「防犯設備」
Amazonのトンデモ宅配ロッカー

置き配や宅配ボックスを狙った「宅配物の盗難」が問題視されているのは、どうやら日本だけではないようで……。こうした問題を解消すべく、物流最大手の「Amazon」は、ある画期的なアイデアに打って出た。

警察署内での荷物受け取りサービス。

先駆けてワシントンDCの警察署において実施となったようで、市民は荷物を受け取りに警察署へと訪れる。たしかに、これなら盗難は免れそうだ。

消耗品は「まとめて買う」がいい?

最後はすこし違った角度からの記事をご紹介。

物流の「2024問題」という観点で考えると逆光したトレンドなのかもしれない。が、新型コロナウイルスの蔓延以降、世界では備蓄で有事にそなえる人たちが急増中らしい。彼らを称して「プレッパー(prepper)」と呼ぶんだとか。

まさしくミニマリストの真逆をいく思想で、物流のみならず流通を逼迫させることにもなると疑問視する声もある。でも、捉え方によってはトイレットペーパーや洗剤、トイレタリーといった日用品は、なくなったら買い足すことからすこし余裕をもって買いだめておくことで、物流自体の機会を少なくすることも、いち消費者の選択として考えてもいいのかもしれない……。

Top image: © iStock.com/baranozdemir
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