100年先もワクワクする社会へ。全国に広がる、アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」

地球温暖化、資源の枯渇……私たちの未来に影を落とす環境問題。そんな問題解決に、意外なものが活躍するかもしれない。

それは、私たちの身近にある自動販売機だ。アサヒ飲料が新たに開発した「CO2を食べる自販機」が、未来への希望として注目を集めている。

従来の自販機の枠を超えた「CO2を食べる」仕組み

2023年6月、「アサヒ飲料株式会社」が実証実験を開始した「CO2を食べる自販機」。「食品新聞」によると、この自販機は、CO2吸収材を搭載することで、なんと空気中のCO2を吸収してしまうという。

それだけではない。吸収したCO2は肥料やコンクリートなどの原料として再利用する計画なのだ。「自販機の設置とともにCO2を吸収したCO2吸収剤を販売していくビジネスモデルが構築できる目途がついてきた」と、米女太一社長は語る。

アサヒ飲料が目指すのは、環境負荷を低減し、資源を循環させる「循環型社会」の実現だ。今回の取り組みは、そのための具体的な一歩といえる。同社はこの自販機を「健康・環境・地域共創」の3つの軸で捉え、100年先も社会に貢献できる企業を目指している

2024年内に500台、最終的には約5万台。これは、国内の自動販売機設置台数の約1割に相当する規模だ。もし、この自販機が全国に普及したら……。私たちの街の風景はそのままに、CO2排出量削減に大きく貢献できるかもしれない。

沖縄・伊良部島から未来図を描く

また、同社の「CO2を食べる自販機」は、CO2削減だけにとどまらない。 沖縄県伊良部島では、地元団体と連携し、CO2吸収剤をサンゴ移植に活用する実証実験もスタートさせている。

サンゴの骨格形成に必要な炭酸カルシウムを含むCO2吸収剤をサンゴ移植に活用することで、サンゴの発育を促進させる効果が期待できるという。 これは、地球温暖化の影響を受けやすいサンゴ礁の保全にもつながる可能性を秘めているだろう。

100年先もワクワクする社会へ

環境問題への意識が高まるなか、「エコ」はもはや当たり前の時代になりつつある。しかし、「CO2を食べる自販機」は、従来のエコの概念を超えた、新しい価値観を私たちに提示している。

それは、環境問題解決を私たち自身の行動に結びつけること。毎日何気なく利用する自動販売機が、地球の未来に貢献する。そんな未来を想像してみてほしい。

飲料を買うという日常の行動が、そのまま環境貢献に繋がる。アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」は、そんな未来を創造する力強い一歩となるだろう。

Top image: © アサヒ飲料株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。