住民の努力が環境を変えた!10年でCo2を40%減らした街

イギリス北西部、チェシャー州に位置するアシュトン・ヘイズ。この街は、住民たちの協力のもとで「Co2削減」の試みがおこなわれ、なんと10年で約40%もの削減に成功したという。

驚きなのは、このプロジェクトに法的な拘束力や政府の後押しなどは一切なかったということ。京都議定書で、2008〜2012年の間に削減目標とされた先進国の数値が「5.2%」だったことを考えると、この街のプロジェクトがいかに素晴らしいものだったのかが、わかるはず。

「一人ひとり」ではなく
「街全体」で取り組むこと

この街に住む、ジャーナリストであり水文学者のガーリー・シャーロック氏は、この活動を街の人たちに広めた中心人物だ。

彼は、Co2削減について考えるイベントの講義に参加したとき、一人ひとりでCo2削減を目指すよりも「街全体」で協力してやれば、もっと大きな結果が得られるのでは、と考えた。

その後シャーロックは、住民の半分以上が出席する街の会議で「Co2削減プロジェクト」を提出し、2006年より実際に動き出すこととなった。

小さな心がけが
1年で20%削減という成果に

まず街の人たちは、Co2削減にむけて、小さなことから心がけるようになった。例えば、

・家の屋根にソーラーパネルを設置する

・洗濯物は外干しする

・LED電球へ買い替える

・できるかぎり電子機器の電源は消す

・エアコンを極力使わない

・車を使わず、徒歩か公共交通機関を使う

このように、街の人たちが変えた行動は些細なことばかり。しかし、それぞれが心がけていった結果、プロジェクトの採択後、わずか1年で約20%削減することに成功した。

隣の人が取り組むと
「じゃぁ、私も」と連鎖した

街全体の人々が「Co2を削減する」という共通のゴールに向かうことで、事実、街の人たちの結束力は日々強くなっていった。

隣の家の人がCo2削減に取り組むと、じゃあ私も、といった風に、その意識が連鎖的に街全体へと広まった。シャーロック氏はCo2削減プロジェクトがここまで広まった理由のひとつとして、政治家ではなく、街の人々によって決められたアイデアだからなのでは、と語っている。

子どもたちの役割は
次の世代へ受け継いでいくこと

子どもたちも積極的に活動している。主要な会議は小学校で行われるので、子どもたちはいつもその場でCo2削減のためのアイデアをスピーチする。そして、小学校の屋根にはプロジェクトメンバーから寄付されたソーラーパネルが設置されている。

子どもたちの重要な役割は、

・みんなで協力すれば、いかに簡単にCo2削減ができるか
・街全体にどれほど大きな影響を与えるか
・プロジェクトに参加することで直接感じた知識

を、次の世代へと受け継いでいくことだという。そして今、この活動を知った他の街も「アシュトン・ヘイズに続け」とばかりに動き始めているという。

Licensed material used with permission by Garry Charnock
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