CO2を石に変える!アイスランド「Orca」の稼働を開始
世界的な脱炭素の取り組みが進められるなかで、アイスランド発の企業「Climeworks」に注目が集まっている。
同社が開発するのは、空気から直接二酸化炭素を除去するプラント施設「Orca」。去年より、アイスランドの首都レイキャビクから南東30kmほどのところに建設されていた「Orca」が、ついに先日、その稼働を開始したようだ。
© Climeworks/YouTube
「Orca」の仕組みを簡単に説明すると、備えられた大きなファンが大気中の空気を取り込み、中央部のフィルターで二酸化炭素をキャッチ。その後、二酸化炭素を水と混ぜ合わせ、地中深くへ送ることで、岩石に溶け込み、約2年ほどで石灰化するというもの。
石灰化した二酸化炭素は恒久的に保存できるため、世界にある空気中の二酸化炭素量を直接的に減らすことができると期待されている。
「Orca」は現在、年間で約4000トンの二酸化炭素回収能力を備えており、これは自動車800台の年間二酸化炭素排出量に相当するとのことだ。
また、興味深いことに、同社は企業や個人へ向けたサブスクリプションサービスを発表している。金額は月額8~55ドルほどから始めることができて、日々の生活や、企業によるプロジェクトを手軽にカーボンニュートラル化することが可能になるようだ。
ただし、かなり革新的な技術であることは間違いない。インターネット上では、このようなサービスが出来ることで、自力による二酸化炭素削減を諦めてしまうのではないかという声も上がっている。
更なる技術革新にも期待しつつ、個人や企業間での排出量削減にも足並みを揃えて取り組んでいきたい。
Top image: © 2021 Climeworks