古代ローマのコンクリートには「自己修復機能」があった!
1月6日に学術誌『Science Advances』にて公開された論文によれば、古代ローマの時代に使用されていたコンクリートには「自己修復機能」があったようだ。いったい、どのような仕組みなのだろうか?
研究を行ったのはマサチューセッツ工科大学の研究者率いる研究チーム。古代ローマ時代のコンクリート「ローマン・コンクリート」の性能を調べるべく、調査を実施した。
そして、「ローマン・コンクリート」の特徴のひとつである石灰の塊「ライムクラスト」が、自己修復機能を発揮している可能性を突き止めたそうだ。
少し分かりづらい話かもしれないが、もしコンクリートに亀裂が生じたら、その亀裂は他の粒子よりも大きな表面積のある「ライムクラスト」の方へと移動する。そこに水が染み込むと、石灰と反応してカルシウムを含む溶液をつくり、炭酸カルシウムとして再結晶して亀裂を埋められるのだとか。
これが自己修復機能の仕組みだ。
今後、研究者たちは「ローマン・コンクリート」の仕組みを活用し、現代のコンクリートの耐用年数を伸ばす研究を行うとのことである。
Reference: Hot mixing: Mechanistic insights into the durability of ancient Roman concrete / Science Advances
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