環境を守ることで増える雇用「グリーンジョブ」とは?

新型コロナウイルス流行の影響で、注目される「グリーンジョブ」

この記事では、グリーンジョブとはなにか、注目される理由や事例を交えながら解説します。

グリーンジョブとは?

グリーンジョブ
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グリーンジョブは国際労働機関(ILO)によって2007年に提唱されました。ILOはグリーンジョブを以下と定義しています。

「グリーン・ジョブ」とは環境に対する影響を持続可能な水準まで減じる経済的に存立可能な雇用と定義されます。

またILOは、グリーンジョブは以下の項目に貢献する仕事であるということを明記。

  1. エネルギー効率と材料効率の改善
  2. 温室効果ガス排出の制限
  3. 廃棄物や汚染の最小限化
  4. 生態系の保護および復元
  5. 気候変動の影響へ適応するための支援

つまり、グリーンジョブは環境視点で、既存事業を転換したり、新規事業を創出したりすることで、「環境」と「雇用」を同時に守っていく職業、職種を指すのです。

なぜ今、グリーンジョブが注目されているの?

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前述した通り、グリーンジョブは新しい概念ではありません。ですが、最近取り沙汰されている理由としては、「新型コロナウイルスの流行による雇用確保の難化」「環境意識の高まり」の2つが挙げられるでしょう。

新型コロナウイルスのパンデミック以来、企業が新卒採用を断念したり、飲食店がアルバイトの勤務を減らしたりというニュースも後を断ちません。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)」のデータによると、「完全失業者数」が昨年の9月と今年の9月で比較すると完全失業者数は、42万人と25%も増加。

こうした現状は日本国内に限った話ではありません。世界中で発生する雇用問題を解決する一つの施策として、グリーンジョブが再び注目を集めているようです。

また、人々の「環境意識の高まり」も関係していると考えられます。

今年も各地で観測史上最高気温を更新。地球の温度は着実に上がり続け、その影響により世界各地で深刻な被害を伴う災害が発生しています。昨年2019年9月には、若き環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが率いる、「グローバル気候マーチ」が世界各国で行われ大きなムーブメントになりました。環境問題をより身近に、自分ごととして捉える人や企業が増えてきているのです。

こうした理由により、グリーンジョブは注目を集めています。

グリーンジョブにはどんな仕事があるの?

では、具体的にグリーンジョブにはどのような仕事があるのでしょうか?

グリーンジョブ専用の求人サイト「greenjobsearch.org」で募集されているグリーンジョブの一部を紹介します。

  1. リサイクルコーディネーター
  2. サステイナビリティアナリスト
  3. 気候変動スペシャリスト
  4. 環境エンジニア
  5. 海洋保護コミュニケーションマネージャー
  6. (環境に優しい製品の)企画ディレクター
  7. コミュニティバイクアンバサダー

このように、グリーンジョブとして、環境保護のための職業や、自動車から排出されるガスを削減するために自転車の利用をサポートする職業などが挙げられます。

日本企業も環境に焦点を当てたサービス開発や取り組みが活発化しています。それに伴い、国内でもグリーンジョブが増えることが予想されます。

海外の事例

イギリスでは、2020年6月、LGA(Local Government Association:地方自治体協会)からある報告書が公開されました。その中には、イギリスが掲げているカーボンニュートラルの目標達成に向け、具体的な数値を示しながら雇用を増やしていく旨が記されています。また、イギリスではグリーンジョブ専門の求人サイトが公開されていることからも、グリーンジョブに力を入れていることが伺えます。

まとめ

AIの発達により仕事が減少するという説は、これまでたくさん語られてきました。しかし、グリーンジョブのようにこれから雇用が増えていく仕事もあるのです。

この記事が今後のキャリアや生き方を考える上でのヒントとなればと思います。

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