アメリカで環境に優しい埋葬法「グリーン葬」を選ぶ人が増えているワケ

最近、アメリカでは環境への影響が少ない「グリーン葬」を選ぶ人が増えつつあるらしい。

グリーン葬とは、木製で硬く、高額な従来の棺の代わりに、竹や海草、ウールといった生分解性で環境に配慮した素材で作られた棺を使用して行われる葬儀方法のこと。

また、故人たちは墓石ではなく、自然に囲まれながら静かに眠るということも従来の葬儀と大きく異なる点だ。

多くの人がグリーン葬を選ぶ理由は主に2つあるが、一つは言わずもがな、年々高まっている環境への懸念だ。

従来行われてきた埋葬方法では、防腐剤や除草剤といった有害な化学物質や分解されない素材が使用されており、土地の環境に悪影響を与えていた。一方でグリーン葬は、環境への悪影響を最小限に抑えることが可能だという。

もう一つは、葬儀にかかるコストの低さ。

一般的に、従来の葬儀にかかる費用は10,000ドル(約150万円)に上るのに対し、グリーン葬にかかる費用はおよそ3500ドル(約50万円)。防腐処理が施された高価な棺などを必要としないため、費用を抑えることができるのだ。

この他にも、環境に配慮した葬儀の選択肢は多数存在する。

たとえば、キノコを使って作られる棺「Mushroom caskets」やアルカリ水分解を活用して行われる「Aquamation(水葬)」。さらに、海中に沈めることで岩礁になり、サンゴの繁殖も助けることができる「Memorial reef balls(海葬)」などもある。

現在、グリーン葬が合法とされているのはニュージャージー州をはじめとする7つの州のみだが、考えてみれば、かつては一般的な葬儀もグリーン葬と同様に、防腐処理を行わず簡素な木製の棺を使っていたはずだ。

つまり、本来は環境に悪影響を与えることなく葬儀を行うことは可能なはず。過去に学びつつ、このムーブメントが全米、そして世界に広がっていくことに期待したい。

アメリカでは土葬が主流なイメージがありますが、現在は全米で6割もの人が火葬を選んでいるそうです。

ただ、火葬が環境に良いかというとそうではなく、遺体の焼却による二酸化炭素排出や森林伐採、また地域によっては河川の汚染にもつながっています。日本ではさらに火葬が主流なので、アメリカでのこういった動きは考えさせられるものがありますね。

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