11月に「口ひげを生やす人」が増えた理由とは?

あなたの周りに、11月になると急に口ひげを蓄え始める外国人の友人はいませんか?

日本ではまだあまり知られていませんが、じつはこれ「MOVENBER」と呼ばれる「前立腺がんや精巣がん、鬱を原因とした自殺などで、男性が若くして命を落としてしまうこと」にSTOPをかけるためのチャリティ活動なのです。

「MOVENBER」とは、オーストラリアで口ひげを意味する「MO」と11月の「NOVENBER」を組み合わせた造語。2003年、オーストラリアのアデレードで30人の活動から始まったこのキャンペーンは、2015年には21ヶ国500万人が参加する人気キャンペーンとなりました。

これまでに7.1億ドルもの寄付を集めることに成功しているとのことです。

参加は、いたって簡単。

11月の頭にひげを剃ってクリーンな状態にし、それから一ヶ月、口ひげを伸ばし続けるだけ。MOVENBERに参加する男性は「MO BRO」と呼ばれます。MO BROは口ひげのみを生やし、あごひげは毎日綺麗に剃ります。

仕事上の理由でひげを伸ばせない人や女性の賛同者(MO SISと呼ばれる)は、口ひげマークのグッズをつかってアピールすることもできます。

また、口ひげを伸ばすだけでなく、健康で長生きできるようにランニングするなど、体を動かすのも参加するひとつの方法です。

始まりは、雑談から。

じつはこのMOVENEBER、そもそもの始まりは口ひげトレンドを復活させようとした2人のオーストラリア男性の雑談がきっかけでした。それが、次第に男性がかかる前立腺がんや精巣がんといった病気を支援する活動へと変化していったそうです。

最終的な目的は、寄付金を活用して、若くして亡くなる男性を減らすこと。

ですが、キャンペーンに参加している人たちはみんな「楽しみながらチャリティをしよう」という気持ちに溢れています。一ヶ月に渡るキャンペーンの締めくくりパーティでは「口ひげアワード」が開催され、MOVENBERのWEBサイトに投稿された口ひげ写真の中から、その年で一番ステキな口ひげやダサい口ひげが選ばれます。

日本ではALS(筋萎縮性側策硬化症)の支援活動であるアイスバスケットチャレンジや、女性の乳がんの啓蒙活動であるピンクリボン運動が有名ですが、このMOVENBERはまだあまり知られていません。

しかし海外では、飛行機や船、バスなどに口ひげの塗装を施して普及したりと、着実に広まってきています。

今までは思い切ってひげを伸ばすことができなかったあなた。11月の間だけでも伸ばしてみてはいかがですか?そして友人から「なんで急にひげを?」と聞かれたら、MOVENBERについて話してみてください。

Licensed material used with permission by Movember
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