「男たちへ」オーストラリアの自殺防止啓発PVが胸を打つ
タフで、ストイックで、屈強。オーストラリアでは、男たちは生まれながらにしてこうした男性像が付いて回るそうだ。恐怖を前にしても笑顔を絶やさず、人生がぐらつくようなときは、コンクリートを飲み込んででも意志を強く持つ。それがオージーだと。
ところが、現在オーストラリアでは、女性の約3倍とも言われる男性の自殺が深刻化している。その背景にあるのが、前述の男性像だったり、「男は涙を見せぬもの」とするステレオタイプな社会規範だという。
感情をストレートに表現することが社会の中で許されず、ひとり抱え込むうちに、いつしか精神が追い込まれて…、そんな自国の男性たちに向けて、自殺防止に取り組む団体「Man Up」が動画制作し、こう呼びかけている。
人前で泣けない男たちへ。
心の闇を“涙”に変えろ!
男たちよ──、辛いときは声に出して泣いたっていい。赤ちゃんのときは誰だってそうしたじゃないか。沈黙は、お前を閉じ込めるだけだ。痛みや弱さを人に見せたっていい、感情をもと出してでも、大切な命を守るためにも、さあ、声をあげて涙を流そう。
「ちょっと相談があるんだ」、「まずいことにっちゃって」、「助けてくれないか」、自らの窮地に男性も自分から手を挙げる勇気を持たねばいけない、Man Upは特設HPにて、動画とともにそうメッセージを送っている。
悩みや、不安や、恐怖を一人で抱え込まず、ときに感情とともに涙を見せたっていい、と。そして、最も大切なことは、誰かがそうしたいとSOSを発しているときに、ちゃんとあなたも聞いてあげる役に回ることだ、と。
Man Up is an Heiress Films production, principally financed by the Movember Foundation in association with the University of Melbourne, and produced in association with the Australian Broadcasting Corporation.