自殺率の高い「アボリジニ」の若者を、アプリで救え
毎週、平均3人が自殺している。
これはオーストラリアの先住民、アボリジニの話。特に若い男性の自殺率は、世界的に見ても高いんだそう。
そんな問題を「アプリ」で食い止めよう、と立ち上がった人々がいました。
自殺の原因は
文化からの断絶
アボリジニの若者の自殺の原因としてよく挙げられるのは、アルコールや貧困、疫病などですが、実はそれだけではありません。
写真家で歴史文化研究をしているJudith Crispinさんは、「文化と切り離されること」が大きな原因だと指摘しています。
最近は文化の継承がうまくいかず、アボリジニ文化から切り離されてしまう若者が増えているそう。自国の文化を感じることができないと「アイデンティティ」が曖昧になり、居場所を失ってしまうのだといいます。
デジタルで
文化を継承するアプリ
この問題を解決しようと、アボリジニの年配の人々が立ち上がりました。彼らはアプリ「Kurdiji 1.0」を作ることで、若者の自殺を食い止めようと思い立ったのです。「Kurdiji」はアボリジニの言葉で「守る」という意味。
このアプリでは、アボリジニの儀式や踊りなどを、3D映像や音、文章で見ることができます。アボリジニの集落から離れた場所に住んでいても、いつでもアボリジニの文化に触れられるのです。
狙いは、若者が文化的な帰属意識を、さらには自己肯定感を持つことができるようになること。
若者の自殺を、「文化の継承」という観点から食い止めようとするこのアプリ。デジタル世代のアボリジニにの目にはどのように映るのでしょうか。
「Kurdiji 1.0」は現在「GoFundMe」でクラウドファンディング中。気になる人は、ぜひ支援を。
Licensed material used with permission by GoFundMe