「幸せはお金で買える」の限界点は、年収〇〇万円だった
「お金じゃ幸せは買えない」と言いながらも、宝くじ売り場に長蛇の列ができるのはなぜだろう。きっと多くの人にとって永遠のテーマであろう、お金と幸福。じつはこの関係に関して、専門家による興味深い考察が進んでいる。
年収と幸福度の関係
科学的なデータが示すこと
英経済誌「The Telegraph」によると、2010年に心理学者ダニエル・カーネマン氏と経済学者アンガス・ディートン氏がおこなった研究により「年収7万5000ドル(約1200万円)までは収入が増えるほど幸福度も高まるが、それ以上は横ばいになる」という興味深い結果が発表されていたらしい。
これは、経済的に豊かになることで生活の質が向上したり、選択肢が広がったりするためと推測できるが、よいことも悪いこともすぐに慣れてしまうという「限界効用逓減の法則」が働き、最初の1万円の価値と、1億円持つ人にとっての1万円の価値は大きく異なるということも関わっている。
時間がもたらす、心の豊かさ
高収入がもたらすものとは?
しかしその反面、近年では高収入を得ることで幸福度が高まったと感じる人々が増えているのも事実。
年収約3億円を稼ぐ起業家チャーリー・デイ氏は、得た高収入で家事代行サービスやベビーシッターを利用し、自由な時間を手に入れた。彼女は「お金で幸せは買えないが、選択肢や機会を増やすことでより幸せな人生を送る手助けになることはたしか」と断言。金銭的余裕と、それによって生まれる時間的余裕がもたらす心の豊かさを強調している。
また、ウォートン校で人間の幸福の原因を研究しているマシュー・キリングスワース氏は彼女の意見に賛同。彼いわく、「人生に対するコントロール感を高めることで、お金と幸福の関係の約75%を説明できる」とし、お金が増えると自分の人生をよりコントロールできるようになると主張する。
2021年の研究では、実際に「お金を使って時間を買う」行動が幸福度の上昇に繋がると証明されている。家事代行サービスだけでなく、移動時間を短縮するための新幹線利用や、効率的に仕事を進めるためのITツール導入などもまさに「時間を買う」行動と言えるだろう。
「経験」と「自己投資」
本当に価値あるお金の使い方
タイムマネジメント術は数多く存在するが、本当に大切なのは自分と向き合い、心豊かな時間を過ごすことではないだろうか。
高収入によって時間の自由を手に入れた人がいる一方で、こんな人も。会社を売却して講演者育成の会社を新たに設立したアンディ・ハリントン氏は「お金を稼ぐことだけが目的になってしまい、幸せを感じられなくなってしまった」と語る。彼は年収約2億4000万円の会社を売却し、本当にやりたいことを仕事にすることで心の充足感を得ることができたという。
ハリントン氏が「お金よりも、どのようにお金を稼ぐか、どのように時間を過ごすかが大切だ」と述べていることからも、私たちは働く目的や人生の過ごし方について問い直し、時間の使い方を見つめ直すことで、より豊かな人生を創造できるのではないだろうか。
お金で時間を買うという選択肢は単なる贅沢ではなく、より充実した日々を送るための有効な手段になり得るだろう。
👀GenZ's Eye👀
筆者はまだ大学生&「1000万円の壁」にたどり着くのはまだまだ先な気がしてますが……。バリキャリを目指しつつ、壁に達してもなお幸福度をバーストさせられるマインドを育んでいきたいです💅