原宿に出現!「濃厚なのに水がうまい」BRITAのカフェ
「水を買う」という行為が日常となり、その選択肢も多様化する現代。私たちの「水」への意識は、静かに、しかし確実に変わりつつある。
そんななか、ドイツ発の浄水器ブランド「BRITA」が、カルチャーの発信地・原宿に、2025年6月30日までの期間限定でポップアップカフェ「Café BRITA」をオープンさせた。「水がおいしく飲める」という直球のテーマを掲げつつ、提供するのは驚くほど濃厚な味わいのメニュー群。この一見アンバランスな組み合わせ、単なる話題作りでもないようだ……。
あえて「濃さ」で挑む
BRITAが描く、水と食の新たな関係性
「Café BRITA」の主役は、間違いなくその大胆なコラボメニューだろう。「テリヤキバターチーズメルトバーガー」、「スープカレー」、そして「汁なし担々パスタ」。メニュー開発担当者によれば、これら食欲をそそる濃厚な3品は、ブリタの水のおいしさを最大限に引き出すために、あえて選び抜かれたという。
こってりとした料理の合間に、ブリタの水をごくりと一口。すると、雑味のないクリアな水が口の中をリフレッシュし、料理の風味をリセット。次の一口がまた新鮮に感じられるというわけ。水と料理が互いを高め合う、計算された味覚体験とも言えるのかもしれない。BRITA Japan株式会社の担当者は、「カフェでの体験を通して、ブリタの水がある暮らしの豊かさを感じてほしい」と、その想いを語る。
カフェ空間には、ブリタの主力製品であるボトル型浄水器やポット型浄水器を実際に手に取って試せるコーナーや、ブリタの水で淹れたコーヒーや紅茶を自由に楽しめるセルフ給水スポットも完備。製品の機能性や利便性を五感で感じてもらうことで、ブランドへの親近感と理解を深める仕掛けだ。
実際、「浄水器協会」によると、日本における浄水器の普及率は全国平均で40%、特に都市部では50%を超えており、水に対する意識が高い層を中心に、もはや生活に欠かせないアイテムとなりつつある。このデータは、2020年時点のものではあるが、近年の健康志向や環境意識の高まりを考えると、さらに注目度は増していると推察される。

「水がおいしい!濃い味バーガー」
店舗看板メニューであるバターチーズメルトバーガーに、オリジナルのテリヤキソースを2色の見た目になるように回しかけた、超濃厚な味わいのハンバーガー。価格:2,200円(税込)

「おいしい水でつくったスープカレー」
一から仕込んだスパイス香るスープに各種野菜をまるごとトッピングした、食べ応え抜群のスープカレー。価格:1,540円(税込)

「水がおいしい!汁なしタンタンパスタ」
特製のピリ辛肉味噌にモッツァレラチーズやトマト、バジルを合わせて、彩りも豊かに仕上げたオリジナルパスタ。価格:1,540円(税込)
なぜ今、「五感で味わう体験」なのか?
ポップアップが示すBRITAの意志
この「Café BRITA」は、単なる製品プロモーションの場というだけではない。「#meetsBRITA」というハッシュタグに象徴されるように、ブランドと消費者のリアルな「出会い」を創出し、特に情報感度が高く、新しい体験に積極的な若年層へブリタ製品の魅力とブランドの世界観を深く届けることを意図している。
現代の消費トレンドは、「モノの所有」から「コト(体験)の価値」へ、さらに「イミ(意味・意義)の共感」へと進化しているといわれる。製品そのものの機能的価値だけでなく、それを通じて得られる感動やストーリー、ブランドが持つ社会的な姿勢への共感が、購買行動を左右する時代。
グローバル情報分析企業である「Circana」によると、体験型リテール市場は今後も成長が期待される分野であり、消費者はよりパーソナルで記憶に残るブランドとの関わりを求めているという。「Café BRITA」の取組みは、まさにこうした潮流を捉えたもの。
特筆すべきは、やはり「濃厚メニュー」という戦略だろう。一般的に、水のピュアさを訴求するならば、素材の味を活かした繊細な料理と組み合わせるのが常道かもしれない。しかしBRITAは、あえてその“逆張り”の発想で臨む。この鮮やかなコントラストこそが、ブリタの浄水技術が生み出す水の「真のおいしさ」を、消費者の記憶に強く刻み込むための、巧みな演出なのではないだろうか。
一杯の水から広がる、サステナブルな視点
「Café BRITA」で味わう「おいしい一杯の水」は、環境意識を持つ人々にとっても、サステナブルなライフスタイルをより身近に感じるきっかけとなり得る。マイボトルにブリタの水を満たす。日々の小さな行動が、より大きな環境配慮へと繋がる第一歩。このポップアップカフェは、そんなポジティブな連鎖を生み出すための、心地よい入り口なのかもしれない。
原宿のキャットストリートに期間限定で現れたホットスポット。単に新しい味覚体験を提供するだけでなく、私たちの消費行動やライフスタイル、そして地球との向き合い方について、ふと足を止め、思考を巡らせる時間を与えてくれる装置のよう。
五感で体験することの豊かさ、そしてそこから生まれる小さな意識の変化。BRITAのこのユニークなアプローチは、「これからの“豊かさ”とは何か?」という本質的な問いを、私たち一人ひとりに優しく投げかけている。

『Café BRITA(カフェ ブリタ)』
【期間】2025年6月2日(月)〜6月30日(月)
【営業時間】11:30~21:00(L.O. 20:00)
※6月2日は14:00開場、6月7日は19:30まで
【会場】café STUDIO(東京都渋谷区神宮前4-31-10 YM Square HARAJUKU 1F)