『ふらっと狂言会♭7』が国立能楽堂で開催、成駒屋三兄弟の歌舞伎公演との演目連動が話題を呼ぶ

伝統芸能の世界において、若手演者による新しい試みが注目されている。

株式会社萬狂言は、狂言に馴染みのない若年層を対象とした公演『ふらっと狂言会』を2026年4月19日に国立能楽堂で実施する運びだ。

野村万蔵家の若手三兄弟が中心となるこの会は、今回で7回目を数える。さらに、歌舞伎界の成駒屋三兄弟が主宰する『神谷町小歌舞伎』との第2弾コラボレーションも決定しており、伝統の垣根を越えた交流が展開される模様だ。

若年層を惹きつける敷居の低さと独自の体験

この公演の大きな特徴は、狂言を「コントに近い笑いの演劇」として捉え直し、初心者でも入りやすい環境を整えている点にある。

主催側は入場料を29歳以下は2000円という安価に設定し、20代から30代の来場者が全体の約4割を占める実績を作ってきた。

公演の冒頭には出演者による解説が行われ、終演後には演者と直接交流できるトークや撮影の時間が設けられるという。

漫画家の東村アキコ氏が描き下ろしたイラストパネルの設置やオリジナルグッズの販売など、従来の能楽堂のイメージを覆す工夫が随所に凝らされているようだ。

© 株式会社萬狂言
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狂言と歌舞伎で同一演目を見比べる異例の試み

今回の第2弾コラボレーションでは、成駒屋の三兄弟である中村橋之助氏、福之助氏、歌之助氏らによる『神谷町小歌舞伎』と、同じ演目を取り上げる取り組みが行われる。

選ばれた演目は「悪太郎」であり、能・狂言を源流に持つ歌舞伎の特性を活かし、両芸能での表現の違いを楽しめる趣向だという。

それぞれの公演を割引価格で鑑賞できるセット券も用意されており、ジャンルを超えたファン層の拡大にも期待できそうだ。

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現代の若手狂言師が模索する伝統の継承と普及の形

野村万蔵家三兄弟の長男である野村万之丞氏を中心とする萬狂言の若手メンバーは、狂言を「現代を生きる若者の芸能」として発信する活動を続けている。

ロビーでは実際に使用される装束や道具の展示が行われ、観客が実際に触れて撮影できる体験コーナーも好評を博しているという。

敷居が高いと思われがちな伝統芸能において、演者と観客の距離を縮める取り組みは着実に実を結んでいる模様だ。国立能楽堂という格式ある舞台で展開される新しい笑いの形は、多くの初心者にとって伝統への入り口となるだろう。

© 株式会社萬狂言
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■イベント概要

●ふらっと狂言会 ♭7 

4月19日(日)11時開演

於:国立能楽堂

 

【番組】

解説 野村万之丞

狂言「盆山」 河野佑紀 野村眞之介

狂言「悪太郎」 野村万之丞 石井康太 野村拳之介

「三兄弟トーク」  野村万之丞、野村拳之介、野村眞之介

 

【チケット】

発売開始日:1月28日(木)一般発売

価格   :一般 3,000円/Uー29 2,000円(29歳以下)

購入リンク:https://yorozukyogen.jp/pg4905380.html

※表示は税込価格 ※全自由席 ※入場は5歳以上 

 

【コラボチケット】

発売開始日:2月1日(日)一般発売

価格   :12500円(神谷町小歌舞伎一等席・ふらっと狂言会一般席 1500円割引)  

      11500円(神谷町小歌舞伎一等席・ふらっと狂言会U−29席 1500円割引) 

お申し込み:https://docs.google.com/forms/d/1c2Exs0eyJhzY57AEGwo55ZaGqSFYuYs01CI71R-pwmQ/edit

※表示は税込価格

 

■演目紹介

●『盆山』

世間で大流行している盆山(盆栽のルーツとも言われる)を一つも持っていない男は、たくさん所持する知り合いに所望しますが、ケチで一つもくれません。そこで夜中に忍び込み盗もうとして、見つかってしまいます。慌てて盆山の陰へ隠れた男を見た持ち主はからかってやろうと一計を案じ、隠れたのは犬だなどと動物の名を言います。男はなんとか乗り切ろうとしますが、次第にエスカレートして……

 

●『悪太郎』

お酒が大好きな悪太郎は、それを伯父が陰で非難すると聞いて、長刀を持参して脅し、陰口をやめるように言います。その甲斐あって逆にお酒を振る舞われて酔った悪太郎は、帰る途中に道で寝てしまい、目が覚めたらびっくり仰天。ヒゲと頭が剃られて丸坊主になってしまいました。夢の中で南無阿弥陀仏と名付けられ、反省して仏道に入ろうと決意していたら、遠くからお坊さんが自分の名前を呼んでいて……?

Top image: © 株式会社萬狂言
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