缶を開けた瞬間がデザインに。「未来のレモンサワー」国内初の快挙

缶のふたをパカッと開けると、シュワシュワとした泡とともに本物のレモンスライスがゆっくりと浮き上がってくる──。アサヒビールの「未来のレモンサワー」といえば、そんなユニークな仕掛けに加え、本物のレモンならではの香りや果実感を楽しめる商品です。

実はいま、この開缶時の一連の動きが、これまでにない形で知的財産として認められ、注目を集めています。

缶を開けた瞬間の「動き」が
デザインとして認められた理由

缶を開けた後、炭酸の泡とともにレモンスライスが缶の中でゆっくり浮き上がっていく様子の連続カット
© アサヒビール株式会社

今回、特許庁に「動的意匠」として登録されたのは、缶を開けたあと、炭酸の泡とともにレモンスライスが浮き上がっていくプロセスです。 ちなみに意匠登録とは、工業製品の形や模様といったデザインを保護する権利のこと。

アサヒビールの発表によると、形状の定まらない液体が関わるデザインとして認められた前例はなく、飲料商品として動的意匠を取得したのは国内初とのことです。

これまで、缶飲料のデザインといえば、パッケージのグラフィックやボトルの形状など、静止した「モノの形」を守るのが当たり前でした。

今回、特に注目したいのは、レモンスライスが炭酸の泡とともに浮き上がる、一定の規則性を持った動きが意匠として認められたことです。

形の定まらない液体が関わる現象を、ひとつのデザインとして保護する。そこに、今回の登録の新しさがあります。

泡の悔しさを越えて。
4年半の歳月が実を結んだ知財への挑戦

実は、アサヒビールがこの動的意匠に挑んだのは今回が初めてではありません。

2022年、同社は『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』で、ふたを開けたあとに泡がもこもこと盛り上がる動きの登録に挑戦していました。

ところが当時は、泡の発生や消える様子が不規則であり、変化に決まった規則性を見いだすのが難しいという理由から、意匠としては認められませんでした。

その挑戦から約4年半。試みを重ねた末に実現したのが、今回の「未来のレモンサワー」の動的意匠登録です。

炭酸の力でレモンが浮く技術を「特許権」で守り、名前を「商標権」で守り、さらに浮き上がる体験を「意匠権」で守るという重層的な工夫が凝らされています。

「モノ」の形から、
五感で味わう「コトの体験」を守る時代へ

同社の知財戦略部によると、従来の知財がモノに紐づく技術や形を守るものだったのに対し、今回はお客が商品を通じて得る「体験」そのものを守る点に大きな特長があるといいます。

味やパッケージの差別化が難しくなった現代において、開けた瞬間の驚きや五感に響く心地よさは、かけがえのない価値を持っています。

2024年の発売以来、限定販売のたびに大きな話題を呼び、2026年10月20日からは待望の通年販売がスタートした同商品。

一杯のサワーが届ける驚きや楽しさを、その動きから守ろうとするこの取り組みは、これからのものづくりのあり方を変えていくのではないでしょうか。

未来のレモンサワー(オリジナル/濃いめ)

【発売日】2026年10月20日より通年販売

Photo: © アサヒビール株式会社
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