「タトゥーお断り」の温泉。訪日外国人が増えるとどうなるの?

増え続ける訪日外国人。特に地方自治体にとって、観光産業は大きな収入源です。誰もが足を運んでくれるお客に満足してもらい、リピーターになってもらいたいと考えるなかで、文化的価値観の違いによって摩擦が起きるケースも。
そのひとつに、温泉や銭湯でのタトゥー(刺青)禁止問題があるのを知ってますか?このポリシーが外国人観光客に与える影響と、具体的な事例を見てみましょう。

増え続ける訪日外国人、その数は…

増え続ける訪日外国人

2016年1月に日本政府観光局が発表したプレスリリースによると、2015年の訪日外国人数は約1,973万7千人で、2,000万人の大台にググっと近づきました。2014年は、同1,341万4千人だったため、1年間で600万人以上の伸びを見せたことになります。ちなみに、45年ぶりに訪日外国人数と出国日本人数が逆転したそうですよ。

2015年は国内で大きな官製イベントがなかったものの、日常ベースで日本を訪れる外国人数が右肩上がりに増えている、と考えて良さそうです。

「タトゥーお断り」の入浴施設が多いワケと、外国人観光客への影響

日本にやってくる外国人観光客の目的は…シンプルに観光目的の人から、買い物、ユニークなお祭りなどの文化体験、とさまざまですが、近年では温泉や銭湯といった「入浴施設体験」も人気があるそうです。

大勢の他人と裸で大きなお風呂に入る文化は、世界各国どこを見てもかなり珍しく、一度体験してみたいという外国人観光客が多いというのは納得ですよね。しかしここで問題になるのが、入浴施設の「タトゥー(刺青)お断り」ポリシー。

温泉や銭湯に行ったときに、「タトゥーのある方の入館をお断りしています」という注意書きを見たことがあるはずです。これは、「刺青のある人=暴力団関係者の可能性が高い」として、風紀上の理由からタトゥーのある入浴客を断るためです。しかし、外国人では国籍や老若男女、職業問わず気軽にタトゥーを入れている人が多いのが実情。
こういった人たちを全員断っていては、外国人観光客に失望を与えてしまうばかりか、自治体の観光産業への影響も懸念されます。

伝統文化のタトゥーもNGにした事例あり

実際に、入浴施設がタトゥーのある外国人の入浴を断り、外国人側の関係者が抗議したケースがありました。
2013年9月、ニュージーランドの先住民、マオリ族の女性が、北海道のとある温泉地の入浴施設で、顔に彫られたタトゥーを理由に入浴を断られました。マオリ族には部族ごとに異なった模様のタトゥーを入れる伝統があり、女性のタトゥーもその一種でした。
女性は北海道の平取町で開催された、アイヌ言語に関する会合のゲストで、身元のしっかりした人でした。会合関係者が入浴施設に抗議したものの、結局女性は入浴することができなかったんだそう。

入浴施設側の言い分としては「伝統文化であっても、一般の方からすれば入れ墨の背景は判断できない」だったそうですが、外国人であれば暴力団関係者の可能性が低いことは、他の入浴客も分かりそうなものですよね。実際に、施設側の対応には「柔軟性がない」といった批判が見受けられたのもまた事実です。

そもそも「タトゥーお断り」の法的根拠

そもそも、入浴施設側がタトゥーのあるお客を拒否できる法的根拠はあるのでしょうか。タトゥーお断りを真っ向から支持する法律は、実はありません。公衆浴場法では、個々の事例について施設側が拒否権を持っているそうです。
しかしあくまで運営者側の指向というに留まり、タトゥーをしているから拒否できるという法的根拠は、実際のところありません。特に公共施設の場合、「地方公共団体は、正当な理由がない限り住民が公の施設を利用することを拒んではならない」という地方自治法に基づき、施設側が不当差別で訴えられることもありえます。

このように、タトゥーお断りは法的にはグレーゾーンの対応なようです。

タトゥーOKの温泉や銭湯が増えてきている

タトゥーOKの温泉や銭湯が増えている

しかし最近では、若い世代のおしゃれタトゥーや外国人観光客の増加に合わせ、柔軟な対応をする施設が増えてきています。
例えば千葉県成田市には、ホームページで「人を見かけによって判断することはしません」とタトゥー客を断らないことを名言しているスーパー銭湯があります。
表立って明らかにしていないだけで、実はタトゥーを柔軟に考えている温泉地や入浴施設は、意外にあるのかもしれません。

外国人観光客と「タトゥーお断り」入浴施設のケースは、観光立国を目指す上で出てくるさまざまな摩擦のほんの一例です。外国からたくさんの訪問客を迎え入れるということは、違う文化を受け入れることでもあるからです。
「郷に入れば郷に従え」ということわざがありますが、日本に来て楽しんでもらい、それによって経済効果も狙おうというのであれば、このことわざを外国人に押し付けるのは、得策ではないのでは? みなさんはどう思いますか?

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