外国人の友だちに「本気でオススメできるホテル」が浅草にできた!

浅草駅から浅草寺とは逆方向に歩いて約10分の立地に、日本文化にどっぷり浸れる旅館が9月1日、グランドオープンします。

その旅館とは、「茶室ryokan asakusa」。

2020年の東京オリンピックを控え、近年増加する訪日外国人客がターゲットです。海外から日本へ遊びにきた友人に紹介するにはもってこいの場所。

ただ、ひとつだけ言うと、ここはロボットやアニメのキャラクターみたいないわゆるクールジャパンに関心がある人向けではなく……古き良き日本の文化や伝統を好むような人にこそオススメしたいところ。

先日、内覧会に行ってきたのでその理由を紹介します。

外玄関から広がる「茶室の世界観」

©2019 TABI LABO

「茶室ryokan asakusa」は、その名が示す通り茶室空間をモチーフに設計されました。浅草の住宅街にしては広々とした外玄関に足を踏み入れると、早速それを感じることができます。

ここは玄関というより静かな庭といった感じ。一角には、小庭を模したような植栽が施されていて茶庭を想起させてくれます。旅館全体を「茶室」と捉えるとしたら、ここは茶室へ続く露地。

建物に入る前に、街の喧騒を忘れて穏やかな気分にさせてくれます。

©2019 茶室ryokan asakusa
©茶室ryokan asakusa

建物に入ってすぐの一階にはラウンジがあり、その先には廊下があります。普通の旅館であればスリッパが並べられるだろうところに、お湯を張った桶が用意されているんですが……これ、足湯なんです。

最初は慣れない感じがするけれど、やってみると結構気持ちイイ。お湯に足を浸すと、檜と柚子の優しい香りがふわりと漂ってきて、気分をすこし上げてくれました。

宿泊客はみんな、ここで足を洗うことになっています。理由は、「いまから日本の建築様式に足を踏み入れるんだ」というマインドセットを持ってもらうためだといいます。

本物の茶室では足袋を履いて歩くように、ここで足を洗ったあとは用意された足袋に履き替えます。こんなところでも日本文化を体験してもらおうというわけです。

「引き算のデザイン」だけど
わくわくする空間

©2019 茶室ryokan asakusa

各階には、大人ふたりがギリギリすれ違えるほどの幅しかない廊下があります。そこから客室の中に入るには、茶室のにじり口がモチーフになった入り口を通る必要があります。これ、背が高い人であればカラダを少し曲げないと入れない大きさ。

狭い廊下を歩いてこの入り口を通ると、秘密の部屋を見つけたみたいでわくわくするんです。

部屋の中は、無駄なものがなく、「和」が意識されたシンプルなつくりになっています。モノもほとんど置かれておらず、机や座布団、布団を移動させたら何もなくなってしまうのではと感じるほど。

©2019 茶室ryokan asakusa
©2019 茶室ryokan asakusa
©2019 茶室ryokan asakusa

シンプルなつくりですが、部屋によっては桜の大木が描かれた襖が設置されていたり、枯山水の小庭が設けられていたり、掛花が飾られていたりと、目で見て楽しめるさまざまな要素も。各部屋に彩りだったり奥行きを与えてくれる存在です。

広さは、二間続きの「茶室スイート」(約20〜23㎡)が最大で、一番狭くて「茶室」の約9〜10㎡。後者は5畳分ほどしかありません。

でも、この狭さも海外からきた友人が楽しめる要素になるはず。身長160cmほどの私にも小さく感じたのだから、一般的に日本人より体が大きい彼らが入ったら、まるで小人の家にいるような気分になるかも。

©2019 茶室ryokan asakusa

ちなみに、2番目に狭い「お風呂スイート」も約10㎡ほどの部屋ですが露天風呂がついています。東京スカイツリーを望むことができる最高の景色です。日本式のお風呂に入ってみたかったという人なら喜ぶこと間違いナシ。

その他、部屋の窓からは下町の風景が見られるので、トラディショナルとモダンといった両方の景色を味わえるという贅沢がこの部屋ではできるんです。

「えっこんなところにも?」な
こだわりが他にも

©2019 TABI LABO

通常、サービスの一環として布団は旅館のスタッフが畳んでくれますよね。でもここでは、畳む前後で部屋の広さに違いがでることを実感してもらえるよう、宿泊客におまかせするんだとか。

狭い部屋でもうまく空間を利用すれば快適に過ごすことができる……そんなことを知ってもらうためなんです。普段、ベッドで寝る外国人にとってはなかなかできない体験です。

©2019 TABI LABO

また、室内の明るさにも「日本」を感じられる要素が込められています。

例えば、客室の天井は、茶室にも用いられる伝統的な工芸技術を施した網代天井となっていて、照明は設置されていません。敢えて部屋全体を暗くし、江戸時代と同じような照度を体験できるようになっています。

とはいえ、「もっと明かりが欲しい」という宿泊客もでてくることでしょう。そんなときのために、旅館側は足元に置ける照明器具を用意。これ、薄暗い部屋の中で見ると、ランプもなかった江戸時代の行灯を想起させてくれます。夕方の薄暗い時間帯でも、ぼんやりとした光の陰影が雰囲気を醸しだしてくれていい感じでした。

©2019 TABI LABO

インバウンド向けのホテルはいまや都内に多数あります。でも、ここでの宿泊は古き良き日本を体感できるもの。だから、外国人の友人には、心地良さだけが追求されたホテルより、ここに泊まってもらいたいところ。特に、日本文化をもっと知りたいという人であれば、満足のいくステイができると胸を張って言えるから。

「茶室ryokan asakusa」
【住所】東京都台東区浅草3丁目32-12
【アクセス】地下鉄銀座線「浅草」駅、地下鉄浅草線「浅草」駅 徒歩8分、つくばエクスプレス「浅草」駅 徒歩7分
【電話番号】03-5808-9021
【グランドオープン】9月1日(現在予約受付中)

Top image: © 2019 茶室ryokan asakusa
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。