ホンモノを凌駕する“ニセモノ”カクテル
「電気ブラン」というお酒を知っていますか?
ブランデーをベースに白ワイン、ジン、キュラソーを加えたカクテルで、東京浅草「神谷バー」がその発祥。太宰治や萩原翔太郎の作品にも登場することで全国的にその名が知られました。
が、ここで紹介するのはその電気ブランではなく、ニセモノのほう。
庶民の味だった
“ニセモノ”の味
電気ブランを真似てつくったカクテルで、琥珀を薄めたような色合いの液体。ではこのニセモノ、いかにして登場したのか。
じつはこちらも文学作品でして、森見登美彦の小説にその名が出てきます。小説の言葉を借りるなら、その味はまるで「口に含むたびに花が咲くよう」だとか。
ところで、小説では多少脚色があるものの、「偽電気ブラン」は実際に存在したお酒なんだとか。本家が発売されたころ、庶民にとってまだ高価な嗜好品だった電気ブランが買えず、どうにか再現しようとつくられたのが偽ブランというわけ。雰囲気だけでも味わいたい、と「偽」の方が広く愛されるようになっていったようです。
特に戦後間もない時代を生き抜いた人たちにとっては、偽電気ブランこそがホンモノなのかもしれませんね。
ホンモノを再現した
「偽電気ブラン」の再現レシピ
ところでこのカクテル、偽物とだけあって、じつはきちんとしたレシピが残されているわけではないそうです。そこで、本物の方はたくさんのハーブを使ってしこまれるという情報から、ハーブを使ったお酒として、こんな再現レシピを紹介します。
本物を真似たくて開発(再現)したニセモノの再現、あぁ、もうなんだかわからなくなってきた(笑)
イエーガーマイスター:100cc
ホワイトラム:40cc
レモン果汁:小さじ1
ミネラルウォーター:60cc
グラスに氷を入れて、イエーガーマイスター、ラム、レモン果汁、ミレラルウォーターの順に入れていき、軽くステア(かき混ぜる)すればできあがり。
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