いま、外国人観光客が続々と「歌舞伎町」に集まりだしているワケ
いま、東京で平日・休日問わず外国人観光客で賑わいをみせている街がある。
新宿・歌舞伎町──。どうやら、彼らにとってココは「This is Japan」そのものらしい。
昼と夜でまったく異なる景色を生み出す、日本きっての歓楽街では、数多のネオンライトが時間感覚を狂わせ、まるで異世界に来てしまったような雰囲気を醸し出している。
そんな歌舞伎町を余すことなく楽しむため、観光情報メディア「Tokyo Cheapo」が、外国人観光客向けに『歌舞伎町を楽しむテクニック』を紹介している。
いったい、世界から訪れる人々は、歌舞伎町の何に惹かれているのだろう?考察してみよう。
01.
ゴジラヘッド
まず、歌舞伎町の新たなシンボルとしてすっかり定着した感のある「ゴジラヘッド」のインパクトは来訪客にもウケがいいらしい。
「新宿東東宝ビル」から街ゆく人を見下ろし、お決まりのBGMとともに咆哮するゴジラ。日本人からすると既視感が強いが、初めて“生”でみるゴジラの迫力は一見に値するといったところか。
また、ゴジラヘッドを直近で見える部屋を予約したり、屋上テラスへとあがり至近距離から写真や動画に収めるツアーも組まれるなど、歌舞伎町を訪れる目的のひとつとして“GODZILLA詣”が人気のようだ。
02.
ゴールデン街でディープな時間
歌舞伎町のもうひとつの顔といえばゴールデン街。レトロかつディープな横丁はどこか迷宮のようで外国人観光客からしても、絵になる風景のようだ。
狭い路地裏にひしめく200軒あまりの個性豊かな飲食店。その雑然とした光景は、彼らに衝撃を与えるだけでなく、開けてみないとわからないある種の宝箱のような感覚をくすぐるらしい。
都市計画によって整備されたニューヨークやパリと比較すると決して合理的とは思えないゴールデン街だが、そうした景観にこそ日本ならではの狭小スタイルや人との距離感が詰め込まれている。そうした歌舞伎町の二面性を肌で感じることができると「Tokyo Cheapo」。
動画内では、全体的に価格が安いことやチャージ料金の説明などもされており、ゴールデン街の“お作法”もしっかりレクチャー。
03.
花園神社でホッと一息
ところで、外国人観光客にとって散策と寺社仏閣巡りは、やはりアクティビティにおいて欠かせないミッションのようで、歌舞伎町に隣接する「花園神社」も定番スポットとなっている。
雑然とした歓楽街の賑わいから一歩離れ静謐な時間を過ごすことができる花園神社。このギャップが彼らからするとまたオモシロいらしい。都会のオアシスとしてここを密かなチルスポットと捉えているようだ。
インバウンド需要が新型コロナウイルス前の水準に回復し、渋谷、浅草、秋葉原さらには下北沢など、人気エリアは今日も外国人観光客で溢れている。そのなかでも日々変化する「歌舞伎町」は、最先端の娯楽を享受できるスポットとして、世界のツーリストが熱い視線を注いでいる。
先日、筆者もゴールデン街に立ち寄ってみたところ、あまりの外国人観光客の多さに舌を巻き、飛び交う外国語に瞬間、異国に足を踏み込んでしまったかのような錯覚を覚えるほど。
私たち日本人でさえ、たまに来ると人の多さや環境の変化に戸惑ってしまうが、いつの日かこの地を訪れる彼らのほうが「歌舞伎町」に詳しい、なんてこともあるかもしれない……!