相手を理想の方向へ誘導する、3つのコミュニケーション術

買うつもりはなかったのに、気づいたら購入していた。やりたくなかったことなのに、なぜか前向きに取り組んでいる…。こんな経験をしたことがある人は、プロの巧みな仕掛けにハマっているのかもしれません。書籍『すぐ試したくなる! 実践心理学大全』では、相手の気持ちを察知し、自分に都合良く行動してくれるようにする心理術がまとめられています。

人の心を操るとまでは言いませんが、いくつかのテクニックを使って理想の方向に誘導することは可能です。

人を思いどおりに動かす
「ラベル貼り」

「社員のクオリティが高い」と評判の人材派遣会社があります。仕事はもちろん、挨拶や受け答えもしっかりしたもので、人間関係も良好。では、どうすればそのような人材を揃えることができるのでしょうか?

この会社で実施しているのが「ラベル貼り」です。研修中に「あなたは仕事をそつなくこなし、周りともうまくやっていける人間だ」と、繰り返し伝えるのです。そうすることで「自分はきっちりとした人間である」と潜在意識に「ラベル」が貼られのだそうです。

説教や権威による教えは、どうしても反発心を生みます。そのため、監視下では模範的な行動をとりますが、そうでないところでは教えを無視した行動をとりやすくなるのです。部下が思い通りに育ってくれないとお悩みなら、怒鳴り散らすのではなく、潜在意識に刷り込む方法を試してみてください。

熱意に負けたふりをして
まわりの士気を高める

ドラマで、若手社員が「この企画をやりたい」と直談判し、上司がすぐに全面的なバックアップを約束するシーンを見かけます。しかし現実では、提案が簡単に容認されることはありません。

もし、そこに上司に別の思惑があるとすれば?あえて「ダメだ」と突き返すことで、部下の企画に対する熱量を測っている場合が考えられます。もし熱心に取り組んでいるのであれば、めげずに何度も了解を迫ってくるはず。上司は、部下たちの気負いが頂点に達した頃を見計らって、「キミの熱意には負けた」と了承するのです。

何度か反対したあとに、了承すれば部下たちの士気も高まり、仕事に対するモチベーションも高くなるでしょう。

単純だけど効果絶大な
「同じ言葉」の繰り返し

客商売では、お客様からのクレームはつきもの。もちろん大半は「欠陥品だった」といった真っ当な要求ですが、明らかに購入者側の落ち度で壊れたのに、交換を要求する人もいます。

そんなクレーマー撃退法として、あるスーパーの店長が取り入れているのが「同じ言葉を繰り返すこと」だそうです。

たとえば「買った傘が壊れていた。忙しいなか、店まで来たのだから半額にしろ」と要求されたとします。店員は「申し訳ございません。以後気をつけます」と謝罪する。購入者は「謝るだけでは誠意が足りないんじゃないの?」と詰め寄りますが、店員は「申し訳ございません。以後このようなことがないようにしますので」と謝る。これを何度か繰り返すことで「じゃあ次からは気をつけてね」と帰っていくのだとか…。

店長は、この手法を店員にも使っているそうです。残業してほしいときに「悪いけど1時間だけ残ってくれ」とお願いする。「えー!」などと言われても「頼む!1時間だけでいいから」と繰り返す。やがて店員は諦めて、引き受けてくれるのだそうです。

単純ですが、これはさまざまなシーンで応用できます。

※画像はイメージです。

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