ただの「良い上司」ではなく「記憶に残る上司」の9つの特徴

記憶に残るような上司はみな、いくつかの資質を持っているものです。そしてその資質は紙上には表せるものではなく、本当に必要なときに心の中にあらわれるのもの。

「Inc.」のライター、Jeff Haden氏がまとめた「部下にとって忘れられない上司」が持っている9つのポイントを紹介してみましょう。

01.
誰もが信じないことも
本気で実現できると信じている

ほとんどの人は、実現可能なものしか追い求めません。だから、目標というのは「想像もつかないような突飛なもの」ではなく「少しずつステップアップできるもの」が一般的。

ただし、記憶に残る上司は、つねにその斜め上をいきます。「どうやるか」の道筋をしっかりと示し、信じられないような成功体験までさせてくれるのです。

02.
壁にぶつかったときは
チャンスだと捉えよう

予期できない問題、思いがけない障害、大きな危機…。ほとんどの上司なら帆を絞り、出入り口を塞ぎ、嵐が過ぎ去るのを待つことでしょう。しかし、ピンチをチャンスと捉える人もいます。彼らは、このような事実を知っているのです。

1)物事がうまくいっているときに大きな変化を生み出すことは極めて難しい。
2)大口顧客を失ってしまったときは、セールスチーム全体を再編成することのほうが受け入れられやすい。
3)主要な競合他社が市場に参入してきたときには、新しい販売チャネルを創出することのほうがずっと簡単。
4)供給の流れが狂って生産が立ち行かなくなったときは、製造作業を再編成するほうがはるかに容易である。

記憶に残るような上司は、「不安定さ」と「不確かさ」を単なる障害と捉えるのではなく、大きな物事を成し遂げることを可能にするひとつの要素だと捉えるもの。

周りを安心させ、元気づけ、奮起させるために、その状況を立て直そうとするのです。

03.
はばかることなく
感情を表に出す

良い上司は皆、プロフェッショナルです。記憶に残る上司は、高度に専門的ですが、感情を包み隠さずに表現します。物事がうまくいっているときは興奮を表現し、ハードワークに対しては心からの感謝を示します。

自分自身に対して激しく失望することもあるし、祝福したり、共感したり、悩んだりもする。イライラしたり、怒ったりすることもあります。

要するに、彼らはその他大勢の「普通の上司」よりも人間的なのです。プロ意識は素晴らしいものですが、そこに健全な人間らしさが合えばさらに良いでしょう。

04.
恐れずに助けを求める

良い上司は、自らの知識や経験を使って意思決定します。優れたリーダーが持っている特性の中で重要なのは、結局のところ「決断力」なのです。

記憶に残るような上司は、「自分はあらゆることを知っている」などとは考えていません。彼らは「人間は知らないことだらけ」だということをわかっているのです。

だから、人に尋ねるようにします。これは、自分のもろさや弱さを露呈することになる一方で、他の人の意見を尊重し、勧んで聞こうとする姿勢を示します。これだって、優れたリーダーの資質なのです。

05.
部下を危機から救い出す

最低の上司は、自分の部下をバスの下に投げ込もうとします。良い上司なら、そんなことはしません。

記憶に残る上司なら、近づいてくるバスから部下を救い出します。しかし、「助けてやった」と恩を売ろうなどとは決してしないので、部下は随分あとになるまで自分が助けられたということに気づきません。

もしも助け出すことができない場合は、自ら犠牲となることを選んでくれるでしょう。そして、後になって部下に尋ねられたときだけ、こっそりと真相は話すのです。

06.
過去に成し遂げた何かより
いま何をするか

その人の価値を測る基準は、「日々どれだけ貢献しているか」という明白なものです。だからこそ、記憶に残るような上司は、過去に何を成し遂げたかに関わらず、腕まくりをして、汚れながら「単純な」仕事をすることはありません。

いやしい仕事なんてないし、退屈な単純作業なども存在しません。どんな人でも、それぞれの労働の成果に値するはず。

07.
「権威」ではなく
「承認」によってリードする

上司は皆、肩書きをもっています。その肩書きによって、部下に指示を与えたり、意思決定を行ったりする権利が得られるのです。

しかし、記憶に残る上司は、部下に「望まれて」組織をリード。部下は、上司の肩書きにではなく、「その人自身」に駆り立てられます。言葉や行動を通じて、「一緒に働きたい」と思ってもらえるように働きかけるのです。

部下が上司の「ために」働くことと、上司と「共に」働くこと。記憶に残るような上司だけが、その違いを知っています。

08.
より大きな目的を持っている

会社の目標を達成するために働くのは良い上司。記憶に残る上司は、会社の目標達成も当然めざしますが、より大きな目標のために奉仕します。

たとえば、部下のキャリアを高めたり、困っている部下を救い出したり、誇りと自尊心を身につけさせたり。彼らは、個人的なレベルにおいても他者に貢献しているので、いつまでも忘れられない存在となるのです。

ビジネスは常に個人的であることを知っているから、彼らはより大きな目的を持っているのです。

09.
真のリスクを追う

多くの上司は、表面的な方法で目立とうとします。

衣服や興味のあることだけではなく、大衆に迎合したり…。確かに目立ちはしますが、それは本質的な部分においてではありません。

記憶に残る上司は、皆が嫌がるようなステップを踏み、現状に甘んじず、正解のない道を進もうとします。だからこそ目立つのです。彼らは「真のリスク」を背負い、リスクの先にある利益を見越しています。実例を示すことで、他の人たちもリスクの先にあるものを追うことができるように促すでしょう。

要するに「記憶に残るような上司」とは、言葉や行動、実例を見せることで他の人を目標へと導くことができる人間のことなのです。

Licensed material used with permission by Jeff Haden
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