なぜか「お金に愛される人」の特徴とは?

金は天下の回りもの。自分のところで引き留めようとすればするほど、出て行きたがります。CAから税理士に転身した八島依子さんはこう語ります。

「お金を上手に旅に出してあげることができれば、何倍もの仲間を引き連れて帰ってくる」

そんな彼女の著書『お金に愛される人は、美しい財布を使っている』では、理想的なお金との向き合い方についてまとめられています。お金との付き合いがうまい人のエピソードを参考にしてみましょう。

「ないもの」ではなく
「あるもの」を意識する

お金に困らない人たちに共通するのは「感謝の気持ち」を持っているということです。では「感謝の気持ち」がなぜお金を引き寄せるのか考えてみましょう。

こんなお話をご存知でしょうか。

平成28年11月に博多駅前で突然道路が陥没する事故がありました。現場は駅前通りでしたから、通行止めになることで営業ができない店や会社がありました。その会社に対して福岡市から賠償金が払われることになったそうです。

はかた駅前通りに面するタカラ薬局は、事故のために1日休業せざるを得ず、数十万円の損害が見込まれました。ところが、同薬局の女性社長は市職員に「賠償金はいりません。他に役立つことがあればそのことに使ってほしい」と申し出たそうです。

女性社長は、東日本大震災や熊本地震の被災地で薬剤師として支援活動をされた際に、甚大な被害を目の前にしたそうです。その経験から、今回の事故で犠牲者が出なかったことに「心からホッとした」とおっしゃっていました。

もし自分が同じ立場だったら、何の疑いもなく賠償金を受け取っていたかもしれない…と、このニュースを見てショックを受けました。実際に被害が出ているのだから、賠償金を受け取るのは当たり前のこと。お金がなければ立ち直れないお店もたくさんあるはずです。

けれどもそこで一歩立ち止まって「ありがたい」と思えること。その心の持ち方が、お金を上手に回せる人の特徴だと思ったのです。こんな話を聞いたら、近所の人はこの薬局に行ってみようと思いますよね。結果的にこの薬局は目先のお金に執着しないことで、将来お金が巡ってくることになるのです。

感謝できるということは、今「ある」ことを自分で認識できるゆえに起こる感情です。このことを理解すれば、周りにも与えることができ、自分にも与えられるでしょう。

【point】
今すでに「ある」ものを確認してみる。

身も心もエレガントな人は
お金の管理も
しっかりしている

間もなく還暦を迎えるある女性のお話です。

昨年、ご主人と2人の終の棲家として平屋の一軒家を建てたそうです。建築費用の数千万円は、なんとキャッシュで用立てたとのこと。彼女のご主人は、建築会社の社長で、賃貸マンションも数棟所有しています。

そんなお金持ちのご夫婦ですが、湯水のようにお金を使っているわけではありません。1年で外食するのはほんの数回。毎日彼女が自宅で美味しい料理を作ってくれるのをご主人は楽しみにしているほどです。

この女性は、フェンディの長財布を10年使っていますが、とてもそうは見えないほどキレイに使っています。

彼女の財布は家計簿そのもので、1ヶ月に1度、その月に使うお金を用意し、1週間単位に予算を決めて財布の中の仕切りを利用して分けています。予算が足りなくなったら他の週から補填をし、予算が余った場合は、余った分をさらに仕切りで分けておくのです。

そうして月末に余ったお金を貯金して、ご主人との旅行を楽しんでいるそうです。このフェンディの財布は仕切りが通常よりも多いため、今の使い方を続けられる財布を他に見つけることができず、ずっと大事に使っています。

このように、収入が多い方でも、しっかりと締めるところは締めているからこそ、キャッシュで家を建てることができたのです。

【point】
お金の使い方を振り返ってみる

お金はどんな時も
「行動し続ける人」が好き

私の周りの輝いている人たちに、ただ1つ共通していることがあります。それはみんな、前を向いて即行動するということ。思い立って3秒後には、何かしらのアクションを起こしています。そうすると、エネルギーが動き、いつしかお金も動き、それと共に人も動いて世の中が循環していくのです。

CA時代の同期の1人に、真っ先に教官職を勤め、その後は国際線のチーフになり、出世コース一直線で世界中を飛び回っていた友人がいます。在職中にはソムリエの資格を取るほどワインにも精通し、世界中の超一流の芸術や美術に触れていて、その美的センスは誰もが認めるものでした。

お客様や同僚からも多くの支持を得ていた彼女ですが、30代半ばで結婚したのと同時にスパッとCAを辞め、ご主人の赴任先であるロンドンへ飛び立って行きました。

2年後、帰国した時には本場イギリスで学んだポーセラーツとテーブルコーディネートの達人になっていました。ポーセラーツとは、白い陶器などに好みの色や柄の転写紙を貼ったり、絵の具で描いた後に焼き上げを行い、オリジナルのテーブルウェアを製作するハンドクラフトです。

これは彼女だからできたことでしょうか。私はそうではないと思います。もちろん、生まれ持ったセンスや能力は人それぞれです。でも、それを人生に活かせるかどうかは自分次第。つまり、そのチャンスを掴むために行動したかどうか。彼女のすごいところは、自分の置かれた場のどこにいても、人生を楽しんでいることです。

ロンドンで黙って暮らしていれば2年間なんてあっという間です。そんな暮らしに流されることなく、しっかりと自分の肥やしとなるものを身につけて帰ってきたのは、ひたすら前を向いてアンテナを張っている彼女ならではだと思うのです。

今ではそのセンスを買われて大手企業からも仕事の依頼が舞い込むほどで、CA時代の収入を超えそうなほど。ちなみにご主人は外資系の企業に勤めており、投資用にマンションをたくさん持っています。

なぜかお金は彼女のことが好きなようです。やっぱり、行動する人にお金は寄ってくるのですね。

【point】
行動せずに後悔するよりも、たとえ失敗してもやってみるだけで心が動く

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。