現代の錬金術!?「空気」生まれのダイヤモンド
信じられるだろうか。
この美しいダイヤモンドが、まさか……
© aetherdiamonds/Instagram
“空気中の炭素”から生まれただなんて。
手掛けたのは、世界で初めて「カーボンネガティブダイヤモンド」を製造した米・ジュエリーブランド「Aether」。このダイヤモンドが持つ、3つの特色をご紹介しよう。
1つ目は、なんといっても空気生まれであること。
ダイヤモンドに使用する炭素の採取には、チューリッヒを拠点に、ごみ焼却炉の屋上などで空気から直接二酸化炭素を回収、抽出する「Climeworks社」が協力。
それを炭化水素原料に合成し、反応炉で3〜4週間成長させるとできあがるのだとか。地中でのダイヤモンド生成には何十億年もかかることを思えば、驚異のスピードだ。
2つ目は、カーボンネガティブ(排出量よりも多くの二酸化炭素を除去している状態)であること。
近年のダイヤモンド業界では、サステイナブルやカーボンニュートラルが盛んに謳われているが、炭素の供給源に化石燃料を使用する企業も多いという。
そこで同社は、1カラットのダイヤモンド1個につき、20t(トン)の二酸化炭素を大気中から取り除く、環境を浄化するダイヤモンド製造に踏み出したというわけだ。
ちなみにこの数字は、『Vogue』によると、アメリカ人の1年あたりの平均的な二酸化炭素排出量よりも多いそうだ。
3つ目は、地球から採掘されたダイヤモンドと視覚的にも化学的にも同水準どころか、「国際宝石学会」から上位2%ランクの品質認定を受けているということ。
CEOのRyan Shearman氏は「大気汚染を宝石に変えるという、前例のない現代の錬金術に取り組むことで、見せかけの環境配慮や労働者搾取がはびこるダイヤモンド業界において、誠実さと透明性の道標となることを約束します」と語った。
大気汚染問題をキラキラと解決する、唯一無二のダイヤモンド。現在は好評につき完売しているが、再販情報は公式サイトをチェック。
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Reference: Scientific American — Modern Alchemists Turn Airborne CO2 into Diamonds, climeworks, FAST COMPANY, Forbes, GIA, Vogue
Top image: © Aether Diamonds