乗るだけでなく、素材そのものがエコフレンドリーな自転車
「これ、欲しい〜!」となるような自転車ではないのだけれど、そのエコっぷりがとっても気になるタウンサイクルがクラウドファウンディング挑戦中だ。どれほど地球にやさしいかって、フレームの素材自体が再生紙だというのだから。あくまでコンセプト先行、それでもこういうものが世界に知れわたることに意味がある、と開発者たちは思っているようだ。
この自転車は、
再生紙でできている
ほんとうのところ、なにも再生紙で造るのが自転車である必要なんてないはずなんだけど、技術開発と環境への配慮を同時にかなえて、しかも世界中の多くの人たちにそれをアピールできるツール。もしかしたら、ディベロッパーGreen Codeのメンバーたちは、あえて自転車に注目したのかもしれない。
くだんの「Urban GC1」だけど、ぱっと見はさもありなんなフォルム。でも、フレームやハンドルの素材に使用されているのは、再生クラフト紙。つまり紙でできた自転車というわけだ。再生紙を圧縮して固め、独自開発したGCパネルをさらに重ね合わせることで耐久力が生まれるんだそう。耐荷重が110kgほどというから、紙といえどやはりタフ。
パーツはすべてリサイクルが可能
あえて書くような内容でもないのだけど、もちろん濡れても大丈夫!GCパネルを使ったパーツにはすべてポリスチレンコーティングされているそうで、雨水が内部まで浸透してフレームが突然ふにゃふにゃになってしまう心配は無用だそう。
さらに言えば、エココンシャスなのはフレームだけではなかった。タイヤも、チェーンも、ネジの1本にいたるまで、すべてにリサイクル可能な部品を選ぶという徹底ぶり。こうなると、“世界がもっとも必要とするエコフレンドリーな自転車”をうたうだけのことはあるな、と次第に説得力が増してくる。
というのも、タイヤだって擦り切れてしまえば交換が必要で(ちなみにこちらはノーパンクタイヤ)、それらは廃棄ゴミとなるんだけれど、そもそもこうした廃棄を出さないことに目を向ける方が、よっぽど自分たちの暮らす地域環境のためにもなる。エコと技術革新を同一線上に捉えてソリューションを生み出していく、それがGreen Codeが目指す場所なんだそう。
ちょっと危なっかしく見えるけど、こちらはプロトタイプ試乗のもので、フレーム自体の幅もこの試作品よりすでに30%ほどスリム化しているらしい。
こうやって書いてみて、最後まで引っかかる点がひとつだけある。それは残念ながら実用的!ないし、デザインがイケてる!と言い切るにはあと一押しに欠けること。もしかしたら世間の見方もその辺にあるのか、それが出資金に現れているのも事実。だけど、最初に触れたように、こういうエココンシャスなアイデアが、欧米諸国ではなくメキシコから生まれてくることに意義を感じるけどね。
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